トレンドマイクロは7日、AI技術を搭載した、総合セキュリティソフトウェア「ウイルスバスター」新シリーズを発表した。オンライン版は同日17時から、パッケージ版は2017年9月14日から販売開始となる。価格は5,380円(税込)から。

同社は、2017年の脅威動向について「短期間で多様な攻撃が続出している」と説明。詐欺サイトへ誘導された数は2017年上半期(2017年1月~6月)で約968万件、不正メールは同約590万件、サポート詐欺は同約1,199件(国内)、ランサムウェアファミリー数は全世界で168種類が出回っていると紹介した。

これらの脅威を背景に、「より強い防御アプローチ」を目指したのが、最新版の「ウイルスバスター」となる。新たに、AI技術を用いた機械学習型スキャン機能を搭載。AIとパターンマッチング技術を融合させた防御アプローチ「XGen」により、多層防御の強化を目指す。なお、XGenは同社法人向けセキュリティ対策製品に導入している技術で、この最新版でコンシューマ向け製品へ導入されることになる。

新搭載される機械学習型スキャンは、同社のクラウドセキュリティ技術基盤に集約されたビックデータと連動する機能。パターンファイルを必要とせず、ウイルスの新しい亜種やゼロデイ脆弱性による攻撃をスムーズに判定できるほか、ランサムウェアなど危険度の高い脅威を優先的に学習し、検出精度を高める。脅威判定はクラウドと連携し、ローカル側で判断のつかないファイルは、ふるまいや侵入経路情報など、関連情報をクラウドへ送信。クラウド側では複数のアルゴリズムの中から最適なものを適用し、脅威判定をフィードバックする。

2016年版で搭載された「フォルダシールド」も強化した。フォルダシールドは、指定フォルダへのアクセスを監視し、正規プログラム以外のアクセスを防止する機能。従来はローカルフォルダ単体が対象だったが、最新版では複数フォルダおよび、クラウドストレージ同期フォルダに対応。また、USBメモリなど外部ストレージが接続された際、自動的にフォルダシールドで保護するようになった。また、従来Windowsのみ対象だったが、新たにMac OSにも対応した。

新機能「サポート詐欺対策機能」も搭載。サポート詐欺とは、偽のウイルス感染警告をユーザーの画面上に表示させ、ウイルスを除去するとうたい、偽のサポートサービスに加入させる手口。「サポート詐欺対策機能」では、サポート詐欺サイトの特徴を検知し、怪しいポップアップが表示されると「詐欺サイトの可能性があります」と警告する。

このほか、モバイル環境への脅威対策も強化。Andorid向けには、ランサムウェア感染したAndroid端末に対し、管理ポータルから遠隔でランサムウェアを停止させる機能を装備。また、iOS向けには、SafariやFacebook、LINEなどのアプリ内ブラウザから、不正サイトへのアクセスをブロックする機能を追加した。

また、サポートサービス「デジタルライフサポート プレミアム」では、新たにスマートTVをサポート対象としたほか、LINEからの問い合わせが可能となった。

「ウイルスバスター」新製品のラインナップは下記の通り。

製品名(ダウンロード版) 販売価格(税込)
ウイルスバスター クラウド 1年版 5,380円
ウイルスバスター クラウド 2年版 9,680円
ウイルスバスター クラウド 3年版 12,780円
ウイルスバスター クラウド + デジタルライフサポート プレミアム 1年版 7,980円
ウイルスバスター クラウド + デジタルライフサポート プレミアム 2年版 13,800円
ウイルスバスター クラウド + デジタルライフサポート プレミアム 3年版 18,580円
ウイルスバスター モバイル 1年版 3,065円
ウイルスバスター モバイル 2年版 5,637円
ウイルスバスター モバイル + おまかせ!スマホお探しサポート1年版 4,093円
ウイルスバスター モバイル + おまかせ!スマホお探しサポート2年版 7,180円