説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『訪日外国人は自動改札機でApple Payを使える?』という質問に答えます。

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駅の券売機付近でまごまごしている海外からの観光客を見かけると、自動改札機で使える電子マネーがあるよ、と教えてあげたくなりますよね。SuicaやPASMOは訪日外国人向けの紹介WEBサイトを設けていますし、活用している方も少なからず見かけますが、iPhone 7/7 PlusだったらSuicaを登録してもっと便利に使えるのに……誰か教えてあげないの? とも考えてしまいます。

しかし、訪日外国人のほとんどはApple Payで自動改札機を通ることはできません。そもそもSuicaをiPhoneに登録できないのです。Suicaなどの日本の電子マネー規格に採用されている「FeliCa」対応のiPhone 7/7 Plusであってもです。

その理由は、「FeliCaでの決済には日本国内で販売されるiPhone 7/7 Plusが必要」(Apple Watch Series 2も可)ということです。基本的にiPhone 7/7 Plusはワールドワイドモデルで、すべての国/地域で仕様はほぼ共通ですが、日本以外で購入された端末を日本に持ち込んでもFeliCaの決済には利用できません。つまり、Suicaの決済ができるのは日本国内で(正規ルートで)販売されたiPhone 7/7 Plusのみです。

海外で販売されたiPhone 7/7 Plusを利用し「Suica」アプリを起動しても、「このiPhoneはApple Payに対応していません」と表示され、先へ進むことができません。言語を日本語に切り替えても、「Wallet」アプリにSuicaは現れません。

ということは、訪日外国人がiPhone 7/7 Plusを持っていても、自動改札機で支払いに使うことはできません。使えない理由は権利関係にあるのか法律関係にあるのか不明ですが、一般的なカード型の電子マネーを利用してもらうしかなさそうです。

海外で販売されたiPhone 7/7 PlusはFeliCaでの決済に対応せず、Suicaを登録することもできません