新生東芝ライフスタイルがスタートして、ちょうど1年経過した。東芝本体が迷走するなか、東芝ライフスタイルは、2016年度下期は黒字化。だが、東芝ライフスタイルの石渡敏郎社長の自己採点は50点と自らに手厳しい。そして、さらなる国内シェアの回復、グローバル展開の加速など、今後の事業成長にも意欲をみせる。前編に引き続き、東芝ライフスタイルの石渡敏郎社長に話を聞いた。(前編はこちら)

東芝ライフスタイルの石渡敏郎社長

黒字転換…自己採点は50点

--東芝ライフスタイルは、2016年度下期(2016年7~12月)で、早くも黒字に転換しました。この理由はなんですか。

石渡: ひとつは、東芝グループ時代の構造改革により、固定費削減などの効果を刈り取れたという点です。これは苦しい思いをしましたが、いまにつながっている大きな要素のひとつです。2つめには、新製品をきちんと投入できたという点です。冷蔵庫、洗濯機、クリーナーも、投入すべきタイミングで、投入することがでました。そして、3つめが、広告投資ができるようになったという点です。思い切ったテレビCM投資を行いましたし、多くの人に、満島ひかりさんのCMを見たといっていただきました。マーケティング投資がしっかりできたことも、販売増につながっています。そして、トランプ米大統領就任前の円高傾向もプラスに働きました。

--2016年度下期の黒字化は想定内だったのですか。

石渡: 最初の想定では黒字化は難しいと思っていました。思ったよりもうまく行ったなというのが正直なところです。そして、今年度が真価を問われるのは間違いありません。

--この1年間を自己採点するとどうなりますか。

石渡: 1年間でいろいろチャレンジをして、社内を変えてきましたが、マイディアグループの方洪波(Paul Fang)CEOからは、「私だったら3カ月でできた」と言われましたよ(笑)。そうした観点からみると、50点ぐらいでしょうか(笑)。