オリンパスは、3D観察により奥行き感の把握が容易になり、迅速で正確な内視鏡外科手術をサポートする「ENDOEYE 3D 硬性ビデオスコープ」を日本国内で発売した。なお、既に欧州とアジア一部地域では2017年1月に先行発売が行われている。

ENDOEYE 3D 硬性ビデオスコープ

同製品は、2017年3月に発売した外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE II(ビセラ・エリート・ツー)」に接続して使用する外科手術用3D内視鏡。奥行きのある3D映像で、2D映像では難しかった対象臓器の立体的な把握をサポートし、手術の精度向上と時間短縮に貢献するという。ビデオスコープ先端には高解像度イメージセンサー(CCD)が2枚搭載されており、高精細かつ豊かな立体感の3D映像を提供する。また、内視鏡外科手術では、内視鏡を動かしたり回転したりすることで、見えやすさを確保することが重要となるが、同製品は、先端2CCD方式を採用しながらも、独自機構により内視鏡を回転した際でもモニター画面上で天地を保ったまま観察することが可能となっている。この技術により3D映像を、使い慣れた2D製品と同様の感覚で観察することができるということだ。

なお、同社既存の外科手術用3D内視鏡システムでは、2台のビデオシステムセンターと、3Dビデオプロセッサー、光源装置が必要だったが、同製品は、これらの機能を1台に集約した「VISERA ELITE II ビデオシステムセンター」に接続し、3D観察が可能となっている。必要機材を減らすことで、医療従事者にとって使い勝手の向上と初期投資にかかる医療コスト削減を実現している。また、VISERA ELITE IIは3Dだけでなく、IR(赤外光)、2D、NBI(Narrow Band Imaging)まで多様な観察方法に対応可能。同時に、多様なカメラヘッドとビデオスコープとの幅広い互換性を有しており、汎用性の高いユニバーサルプラットフォームとして病院内での効率的なシステム運用の実現に貢献するということだ。