東京商工リサーチは22日、2017年3月期決算の有価証券報告書をもとに、1億円以上の役員報酬を受け取った役員に関してまとめた。

記録更新

役員報酬最高額はソフトバンクグループ元副社長のニケシュ・アローラ氏となった。2017年3月期で103億4,600万円を得ており、2016年3月期に歴代最高額をマークした自身の記録を塗り替えたことになる。

歴代役員報酬額ランキング(東京商工リサーチプレスリリースより)

同社の有価証券報告書を確認すると、ニケシュ・アローラ氏の役員報酬においては「退任費用」として88億4,700万円が計上。同氏は昨年6月の株主総会をもってして役員から退任しており、事前の取り決めに従った報酬を今回得たことになりそうだ。

歴代トップとなったニケシュ・アローラ氏。だが昨年6月にソフトバンクグループの役員から退任している

ソフトバンクグループの孫正義代表は、先日の株主総会で、ニケシュ・アローラ氏への多額の報酬に関してコメント。「ニケシュはグーグルで最多の報酬を得ていた。多額のストックオプションも持っていた。数百億円の権利を捨ててソフトバンクに来るとなると、スカウトする側としては同等かそれ以上を払わないといけない。グーグルにいれば行使できた権利に代わる額を提示した。退職の額も契約のなかに入っていた」としている。

次点もソフトバンクグループから。ロナルド・フィッシャー取締役副会長で24億2,700万円だった。次いでソニーのマイケル・リントン執行役EVPで11億3,600万円となり、上位3名が外国人経営者となった。

2017年3月期役員報酬額ランキング(東京商工リサーチプレスリリースより)

日本人が登場するのは4位以降。4位がソニーの平井一夫代表執行役社長兼CEOで9億5,500万円、5位がソフトバンクグループの宮内謙代表取締役副社長で6億1,700万円だった。

なお、22日17時現在、有価証券報告書の提出が確認された357社のうち、1億円以上の役員報酬を得ていたのは43社、101人だった。