インストール & 実行

そのPCMark 10だが、インストールは余り悩むことはない。ダウンロードしたら、インストーラーを起動すると言語設定(Photo01)→使用許諾の確認(Photo02)→インストール場所の指定(Photo03)の後はインストールが実行され(Photo04)終了である。

Photo01:日本語は無いので、英語を選ぶのが無難

Photo02:結構長かった。左下のチェックを入れて「Next」で次に進む

Photo03:余程の理由がなければこのままで問題ない

Photo04:このプログレスバーだが、一度かなり伸びたあとでまた短くなったりする。筆者の環境では数分で終了した

インストール後に起動すると、こんな画面になる(Photo05)。ここでACTIVATEを実施すれば理論上はBasic Editionになる筈なのだが、まだBasic Editionの公開日でないためか、Benchmark一覧(Photo06)を見ると、どのテストもLockが掛かっており実施できない。Options画面で"Enter your upgrade key here"にキー(今回はProfessional Editionのキーを利用した)を入力するとProductの表記が変わり(Photo08)、全てのテストが利用可能になる(Photo09,10)。

Photo05:本来はここでActivateを行うと、FutureMarkからBasic Editionのキーをオンラインで取得するのだと思われる

Photo06:3つのテストのいずれも鍵アイコンがついており、現状ではテストができない

Photo07:Optionsは3DMarkと良く似た構成になっている(ちょっとだけ異なる)

Photo08:Professional Editionのキー入力後。これまでは存在しなかった、"Key ending date"が出現しているのが分かる。今後はFuturemarkの製品もSubscription方式を取るのかもしれない

Photo09:Basic Editionだと"MORE TEST"が出ないかもしれないが、今回確認は出来なかった

Photo10:3つのテストの鍵アイコンが消えているのが分かる

さて実際のテストである。PCMark 10(Photo11)/PCMark 10 Express(Photo12)/PCMark 10 Extended(Photo13)とも、デフォルト状態だとRunボタンを押すだけ、というあたりは3DMarkにインターフェースが近付いている。Custom runを選ぶと、個々のテストを実行する/しない、あるいは細かなテスト設定が可能になっている(Photo14~16)。

Photo11~13:背景画像と説明が違うだけで、要するにRunボタンを押すだけ

Photo14:PCMark 10はこんな感じ

Photo15:PCMark 10 Expressではテスト項目が大分少なくなっているのがここからも分かる

Photo16:全部入りのPCMark 10 Extended

テストそのものの所要時間は上に

  • PCMark 10 Express:18分
  • PCMark 10 26分
  • PCMark 10 Extended:34分

と示されているが、筆者の環境では

  • PCMark 10 Express : 15分
  • PCMark 10:22分
  • PCMark 10 Extended: 25分

で終了した。終了すると結果が一覧で表示される(Photo17)。また下にあるMonitoringは、detail表示をOnにするとかなり細かく示される(Photo18)。これはPCMark 10 Expressでも同じ(Photo19)である。ただこれ、Detail Scoresのチェックを外すと、一番テスト項目の多いPCMark 10 Extendedでもこんな感じである(Photo20)。

Photo17:個別のテスト結果とそれぞれのスコア、及び総合スコアが一覧で示される

Photo18:CPUとGPUのコアクロック、GPUのメモリクロック、CPUとGPUのコア温度、CPUの消費電力、及びGPUの負荷が示される。サンプリングは1秒弱(PCMark 10の22分の実行時間に対し、サンプリング回数は1509だった)で行われる

Photo19:PCMark 10 Expressのdetail表示

Photo20:PCMark 10 ExtendedのDetail Scoresのチェックを外した状態

ちなみにテスト結果であるが、FutureMarkによれば、同社のベンチマークの場合は精度というかバラつきが3%の範囲内に収まる様に設計されているが、実際のベンチマーク環境はOSの管理下で行われているから、想定を超える範囲のバラつきが出ることは当然ありえるという。したがって、複数回実行してその結果の平均を取ることを推奨している。

テスト結果の算出

テスト結果の算出方法だが、基本は相乗平均である。PCMark 10 ExtendedのOverall Scoreは

Overall Score = K×geomean(Se, Sp, Sd, Sg)

となっている。ここでKは0.780で、これはReference PCでOverall Scoreが5000になるように調整しているとのことだ。Se/Sp/Sd/Sgは、それぞれEssential/Productivity/Digital Contents Creation/Gamingの各GroupのScoreである。

では各GroupのScoreはどのように算出されるかというと、これも相乗平均である。例えばEssential GroupのSoccerは

  • Essential Score = geomean(R1, R2, R3)

で、R1がApp Start-up Score、R2がWeb Browsing Score、R3がVideo Conference Scoreというわけだ。

個別のテストにおけるScoreの算出法は異なっており、例えばApp Startupの場合は

  • App Startup Score = K÷geomean(R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8)

である。ここでR1~R8は4種類のアプリケーション×2つのタイプ(Warm Start/Cold Start)でそれぞれの所要時間(秒)となり、Kは15823と指定されているといった具合だ。個別に説明すると紙面が幾らあっても足りないので割愛するが、興味ある方はPCMark 10のTechnical Guideに算出法が記載されているので見ていただければと思う。

実際にテストを実行

実際に実施してみた結果を簡単にご紹介する。検証環境は以下の通り。

CPU Intel Core i7-7700K
M/B ASUS Prime Z270-K(BIOS 0318)
Memory Corsair CMK16GX4M2A2666C16(DDR4-2666 8GB)×4
Graphics Intel HD Graphics 630(CPU内蔵)
Storage Intel SSD 600p 256GB(M.2/PCIe 3.0 x4) + WD WD20EARS 2TB
OS Windows 10 Pro 64bit 日本語版 Build 15063(Windows 10 Creator Update)

まずPCMark 8の結果だが

Creative 3.0 score 4220
Creative 3.0(OpenCL) score 5847
Home 3.0 score 3558
Home 3.0 score(OpenCL) 3977
Storage 2.0 score 5009
Work 2.0 score 3324
Work 2.0 score(OpenCL) 4593

であり、一方PCMark 10の方だが

PCMark 10 Score 4497
Essentials Score 8811
Productivity Score 7530
Digital Content Creation Score 3721
PCMark 10 Express Score 4924
Essentials Score 8791
Productivity Score 7536
PCMark 10 Score 3098
Essentials Score 8917
Productivity Score 7574
Digital Content Creation Score 3720
Gaming Score 991

となっている。まずPCMark 10の結果で言えば、EssentialとProductivityはどのテストでもほぼ同じなので、PCMark 10やPCMark 10 ExpressをやらなくてもPCMark 10 Extendedだけで十分のようだ。ただし、複数回繰り返して平均を取るのが無難だといえる。

またOverall Scoreに関しては、今回の環境ではDigital Contents CreationやGamingが著しくスコアが低く、これを含めるとスコアが落ちる。これはOverall Scoreだけでは分かりにくいので、個別のGroupのスコアを全部示すか、あるいはPCMark 10 Extendedの結果からPCMark 10/PCMark 10 Expressのスコアを算出するか、どちらか(あるいは両方)が必要に思える。

PCMark 8との対比だが、見事に関係がなくなっているというか、PCMark 8の結果からPCMark 10の結果を見出す(逆でもいいが)のは極めて困難である。当面は、PCMark 8とPCMark 10の両方を併用しながら、という形にするのが無難かもしれない。とりあえず筆者は当面、両方の結果を示しながら性能を判断する形にしたい。