iPhone 7からヘッドフォンジャックを廃止し、ワイヤレス化を促進するために登場した製品がAirPodsやBeatsのワイヤレスオーディオ機器だ。これらの製品の販売台数や売上に関する言及はなされていないが、決算報告の中でも採り上げるべきカテゴリに成長してきていることを示唆している。

AirPods

AirPodsは、それまでiPhoneに付属してきたおなじみのイヤホン、EarPodsのワイヤレス版だ。デザインはそのままにケーブルを取り去り、左右独立型のBluetoothオーディオ製品として発表された。

Appleによると、2017年第2四半期決算の段階でも、需要を供給が大きく上回る状況であると説明があった。実際に、筆者が2月中旬に日本でオーダーしたAirPodsは、4月下旬に届き、結構待たなければ入手できなかった。現在は、5営業日程度での納品へと短縮されつつあり、需給問題は若干落ち着きを見せつつあるが。

一方、Beatsブランドからも、ヘッドフォン型のSolo3 Wireless、PowerBeats3、BeatsXの3つのワイヤレスオーディオがリリースされている。BeatsXは2017年2月へと発売が延期されていたが、現在では2016年9月に発表された全てのワイヤレスオーディオのラインアップが全て購入できる状況になっている。

これらの製品の特徴は、新しい感覚のBluetoothオーディオである点だ。AppleのW1チップを搭載し、省電力性に加え、ワイヤレスでの接続性が大きく改善されている。iPhoneなどで1度ペアリングを済ませれば、同じiCloudアカウントでログインしている他のiPhone、iPad、Apple Watch、Macにもペアリングの情報が共有され、追加設定なく接続することができるのだ。

AirPodsとBeatsXの両方を実際に使っていると、音質はBeatsXの方が満足感あるものだが、AirPodsの機能性は、それまでのワイヤレスヘッドホンとは異なると感じた。

まず、今までのワイヤレスイヤホンの多くは、「ワイヤレス」なのはスマートフォンや音楽プレイヤーとイヤホンの間だけで、左右のイヤーピースを結ぶなんらかのケーブルやヘッドバンドが存在していた。しかしAirPodsは完全に独立しており、しかも単体で5時間、ケースを含めて24時間というバッテリー持続時間を実現している。加えて、電源のON/OFFを気にしなくて良い点も便利だ。ケースからの出し入れがそれに相当しており、しまっている間は充電もしてくれる。

同じW1チップを搭載しているBeatsXは、電源のON/OFFにおいてボタンの長押しが必要で、これがわりと手間に感じるのだ。そうした優れた機能性から、AirPodsの顧客満足度は98%に上るという。