街をぶらぶら歩いていたら、不思議な形の橋を発見した。スチールパイプを組み合わせた橋の一部を撮影すると、アート魂の端っこに火が点いた。そうなるとLightroomでフツーに調整しただけでは満足できない。ゴリゴリに、ひたすらゴリゴリに。やりすぎかと思うくらいブッとんだ仕上がりを目指した。

【ビフォー】フツーに補正するなら、ここからコントラストを強めて、ハイライトを際立たせるところだが……

【アフター】ひたすらゴリゴリに編集すると、ここまで変貌する

Lightroomは、RAWデータの基本調整を行うためのソフトなので、Photoshopのようにレイヤーを使って局所的にフィルターをかけるといったトリッキーな加工はできない。ただ、やろうと思えばではあるが、「トーンカーブ」で「ポイントカーブを編集」して、通常の補正とは異なった調整が可能である。また、「切り抜き後の周辺光量補正」を使って、よりインパクトのある変化をつけられる。

今回のようにトーンカーブで極端な調整を行う場合でも、一通りの基本補正は行っておきたい

基本補正を終えた状態

「基本補正」を行ってから、トーンカーブダイアログの右下にある「クリックしてポイントカーブを編集」アイコンをクリックしてみよう。トーンカーブの線上をクリックすると、そこがポイントとして指定される。ポイントは複数設定でき、それぞれ上下に動かすことで、明暗を調整できる。

「トーンカーブ」の右下にある「クリックしてポイントカーブを編集」アイコンをクリックすると、ポイントカーブの調整や、RGBを個別に調整できるようになる

トーンカーブ調整の基本は、なめらかな曲線を描くことであるが、今回は、「これが正解!」というものが無いので、いくつかのパターンを紹介する。プリントを前提としている場合は、ヒストグラムの両端を見ながら、色飽和や黒つぶれ、白とびなどが起きないように作業するとよい。

左右のポイントを逆転させるとネガができあがる。ポイントを水平にするとグレースケールの画像になる

U字型に調整すると、パイプが黒光りした重厚な感じに

このようなトーンカーブ調整をする場合、カーブが上下のラインを越えてしまうと色飽和などを起こしてしまうため、できるだけトーンカーブボックスの範囲内で調整する

ポイントを右クリックすると「コントロールポイントを削除」できる。「カーブを統合」をクリックすると初期化される

「効果」の「切り抜き後の周辺光量補正」を調整して、周辺にソラリゼーション効果のような雰囲気を出すこともできる