8Kで先行しているシャープでは、2015年10月に、85型の8K映像モニター「LV-85001」を発売しているが、このほど、新たに70型の8Kモニター「LV-70002」を、6月30日から受注生産で発売。

70型の8Kモニター「LV-70002」

さらに、8K試験放送対応受信機「TH-SH1050」を4月14日から発売する。

8K試験放送対応受信機「TH-SH1050」

「85型の製品は、重量が100kgであったものが、70型では42.5gと半分となり、奥行きでは17.3mmから9.2mmへと半減、消費電力では1440wから470wへと3分の1に削減している。今回の製品は、業務用ではあるが、通常のテレビと変わらず、取り回しがしやすい製品として提供できるようになった。2018年の8Kの実用放送開始を見据えた商品づくりを進めていることを示すもの」(シャープ ディスプレイデバイスカンパニーデジタル情報家電事業本部の喜多村和洋副事業本部長)とした。

70型の8Kモニターの市場想定価格は800万円であり、85型の約1600万円の半額になっている。「85型の製品は、全国のNHK放送局のパブリックビューイング用途や、8K映像用編集モニターとしてポスプロ(ポストプロダクション)の編集室への導入、研究機関への導入などで、累計で100台強の出荷があった。今回の70型モデルでは、年間200~300台程度の出荷を見込む」(シャープデジタル情報家電事業本部国内事業部の宗俊昭広事業部長)とする。

大阪府堺のSDPで生産している8K高精細パネルを採用。業界で初めて8K解像度のHDR規格に対応。ピーク輝度1000cd/m2の独自のメガコントラスト技術を採用することにより輝きのある映像を再現。BT2020比79%を実現する広色域技術によって、「自然界の色をほぼカバーし、究極のリアルを表現することができた」(シャープの喜多村副事業本部長)と自信をみせる。

放送局での導入以外にも、映像編集やデザイン用途、医療用途、美術品のアーカイブなどのサイネージ利用も想定。「設置のしやすさから、より具体的な用途での提案が可能になる」(同)とする。

一方で、8K試験放送対応受信機「TH-SH1050」は、従来のTH-SH1000の約1400万円に比べて、半額となる約700万円を想定している。

今回の製品は、業務利用がターゲットとなるが、シャープでは、2018年の8Kの実用放送の開始に向けて、家庭向け製品のラインアップ強化を図る姿勢を改めて強調した。