日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、2×2のマルチユーザMIMO(MU-MIMO)に対応し、8つのコンポーネントキャリアをアグリゲートした下りリンクOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交波周波数分割多重)伝送が可能な同社のワイヤレス通信試作プラットフォームが、Verizon 5G規格に準拠した28GHz帯の伝送実験に成功したと発表した。

同プラットフォームは、NIのミリ波トランシーバシステムを基に、28GHzで動作するRFミリ波ヘッドと、AnokiwaveとBall Aerospaceの共同開発によるフェーズドアレイアンテナを組み合わせて開発されたもので、ハイブリッドビームフォーミングやself-contained subframeといった技術を採用することで、5Gbpsのピークレートを実現。アンテナを増やして空間ストリームを8つにすることで、ピークレートを20Gbpsに拡張することも可能だという。

また、システムのすべてがLabVIEWシステム開発ソフトウェアで記述されているとのことで、基地局とユーザ端末(UEまたはCPE)の両方でリアルタイムに動作するコードを自由に開発できることも確認されたという。

なお同社では、今回、Verizon 5G規格の試作機開発とその実証実験に成功したことは、今後5G New Radio規格が確定した際にエンジニア・研究者が速やかにその試作に着手できることを意味する成果であるとコメントしている。