SAPグループ企業で世界約4,500万人の出張・経費精算システムを誇るコンカーはGPS機能と連携し、走行経費精算レポートを作成する新技術「Concur Expense Smart Drive」を発表した。

毎月やってくる経費精算の締め切り。少しでも間違えようものなら、あらぬ疑いさえもかけられかねない。SAPグループのコンカーは、煩雑な処理から解放される経費精算の自動化など企業における働き方改革にも寄与するソリューションを提供している。同社が16日に発表した新たなツール「Concur Expense Smart Drive」は、ユーザーの携帯端末のGPS情報を取得、走行距離を記録し、出張実績データとして経費精算レポートに自動入力される仕組みを提供する。同社のアプリConcur Mobileに組み込まれ、2017年第2四半期から世界のユーザーに向けて関連サービスが提供される予定だという。

Concur Expense Smart Driveによる走行距離記録イメージ(同社資料より)

コンカー バイスプレジデントGlobal Product Experienceのロブ・ニールセン氏は2016年にコンカーで処理されたタクシーなど陸上交通費の支払い処理総額が22億7,000万ドルにのぼり、全経費項目のトップ10に入るにもかかわらず、走行距離の記録は裏付文書がなく概算で社員が入力しなければならないケースも少なくないことを明かし、Concur Expense Smart Driveが、移動実績と経費精算金額がより正確になり、工数削減に寄与できることをアピールしている。

また、走行距離を各自が申告している企業がGPSによる自動走行距離記録へと移行することで平均20%の総コスト削減を実現したという同社パートナーであるMotus社の報告も発表しており、裏付けのない自己申告ベースの経費申請から脱却し、実際の移動距離情報に対してのみ支払い処理も可能になるとしている。