基本的なパフォーマンスをチェック

実ゲームのベンチを行う前に、Trident 3の基本性能を見るベンチマークをいくつかやっておきたい。まずはCPUの馬力をみる「CINEBENCH R15」だ。

「CINEBENCH R15」のスコア。CPU性能を見たいだけなのでOpenGLテストは実行しない

第7世代Core、いわゆる“Kaby Lake”世代のCPUだけあってシングルスレッド処理のスコアは175cbと非常に高い。もちろんマルチスレッド処理性能も十分出ている。

続いては普通のPCゲームにおけるグラフィックの描画性能をみる「3DMark」、VR環境でのグラフィック描画性能をみる「VRMark」のスコアをそれぞれ見てみよう。

「3DMark」のスコア。GPUがGTX 1060なので4Kを想定したFire Strike Ultraは計測していない(以降同じ理由で4K環境は除外)

「VRMark」のスコア

3DMarkのFire Strikeが10000ポイント以上出ている点から、Core i7-7700とGTX 1060のパフォーマンスが十分に引き出されているようだ。これなら超重量級ゲームでないかぎり、フルHDで十分快適にゲームを楽しめるだろう。

一方VRMarkはBlue Roomのスコアが非常に低いが、これは将来のVR環境を想定したものなので無視してよい。注目すべきは現行VRシステム(RiftやVive)を想定したOrange Roomだが、これで6000ポイント台ならVR環境としては十分合格点といえる。

ちなみにOrange Room実行時の平均fpsは約148fpsとなり、Vive等が要求する90fpsをはるかに上回っている。画質を無茶して上げなければVRゲームに関しては(当分)心配不要のパフォーマンスといってよいだろう。

最後にストレージの読み書き性能を「CrystalDiskMark」でチェックしてみた。テスト条件はデフォルトの1GiB×5をそのまま使用している。

「CrystalDiskMark」による読み書き性能。左がSSD、右がHDD

SSDは最近流行のPCIe Gen3 x4接続のNVMe SSDではなく、SATA接続のものであるため連続した読み出し性能は550MB/秒前後。これはSATAの限界ともいってよい。

NVMeならこの5~6倍は出るのに……と感じてしまうかもしれないが、実ゲームの読み込み待ちという観点では、最速のNVMeを使っても待ち時間はSATAと大差ない。つまりゲームを快適に遊ぶうえでは十分なスペックだ。