TowerJazzとカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)は、28~31GHzの周波数帯で動作し、12Gbps超のデータレートを実現する5Gフェーズドアレイチップセットを開発し、5Gの要件を満たす製品がすでに製造可能であることを示したと発表した。

2016年7月に米国連邦通信委員会(FCC)が5G無線規格の合意に先立ち、市場に対して、ライセンス周波数帯域の28GHz周辺および37~40GHz、ならびにアンライセンス周波数帯域の64~71GHzを含む新たな周波数帯域を割当てる計画を発表しているが、同チップセットもそうした新たな周波数に対応することを目的にTowerJazzのSiGe BiCMOSテクノロジーを用いて開発されたもの。

実証実験では、二重偏波方式を用いて、通信距離30mでデータレート12Gbps以上、同300mで3Gbps以上を達成したとする。受信データの質を定義する性能指数であるエラー・ベクトル振幅(EVM)の測定では、いずれのチップセットも4G LTEレベルの性能を示し、12Gbpsの64QAMリンクの場合、通信距離30mでEVM5%未満を達成したほか、3Gbpsの16QAMリンクは、すべての場合でFEC(前方誤り訂正)や等化技術なしで、全走査角度において300mでのEVM12%未満を達成したとしている。

なお、今回の技術実証に用いられたチップはUCSDにて取り扱いがなされているという。

UCSDが設計し、TowerJazzが製造を担当した32(4×8)エレメントフェイズドアレイ