LINEは3月2日、スペイン・バルセロナで開催されているモバイルカンファレンス「Mobile World Congress 2017」のキーノートにおいて、新たな戦略としてクラウドAIプラットフォーム「Clova(クローバ)」を発表した。

「Clova」は、LINEとNAVERの共同開発プロジェクト。「LINEのチャットをベースとしたコミュニケーション技術」「NAVERの検索技術」「LINEとNAVERが持つ豊富なコンテンツやサービス」「LINEとNAVERが持つ数多くのユーザーベースとビックデータ」を保有し、量・質ともに兼ね備えた学習データを使用することができる良質でスマートなAIという特徴を持っているという。

「Clova」の中核は、「Clova Interface」と「Clova Brain」から構成されている。「Clova Interface」は人間の五感に当たり、音声認識である音声合成などを行う。人間の五感のうち、耳と口に当たるのが「Clova Voice」で画像認識や顔認識などを行う。今後、その他の五感に対応していく。

「Clova」の構成

「Clova」は、人間の五感に当たる「Clova Interface」と頭脳に当たる「Clova Brain」を中核に、「Clova」とデバイスやアプリケーションをつなぐための「Clova Interface Connect」、「Clova」とコンテンツ/サービスをつなぎ、「Clova Brain」の機能を拡張していくための「Clova Extension Kit」でプラットフォームを構成している。

「Clova」のプラットフォーム

LINEは「Clova Interface Connect」とつながるデバイスやAppについて、自社開発から開始し、次にパートナーとの共同開発、今後は、サードパーティーへ開放していくことを計画している。

「Clova Extension Kit」とつながるコンテンツ・サービスも同様に、「Built in Contents/Service」としてLINEやNAVERが提供する自社サービスから開始し、次にパートナーとの共同サービス、今後は、サードパーティーへ開放していくことを計画している。

「Clova」を搭載した製品として、アプリ「Clova App」、初の自社デバイスとなるスマートスピーカー「WAVE(ウェーブ)」の発売を初夏に日本と韓国とで予定している。

「WAVE」では、話しかけると音声で会話が可能なほか、ニュース、天気・占い情報、コマース、カレンダー、翻訳などのコンテンツ・サービス、音声で家の電気のオンオフなどを行うホームコントール、音声専用コンテンツとして読み聞かせなどができるオーディオブックなどが利用できる。今後LINEが事業を展開する他アジアの国や地域に提供範囲を拡大していく予定。

「Clova」を搭載したスマートスピーカー「WAVE」