パシフィコ横浜で2月26日まで開催中の「CP+2017」。ソニーはキヤノン、ニコンよりも大きな会場最大のブース面積で、「α」シリーズにかける本気度を示した。バスケットチームの素早い動きを捉えるスポーツ撮影コーナー、「α7S II」の高感度撮影を体験できる夜景鉄道ジオラマ、新製品の中望遠レンズが試せる屋外ポートレート、そして新型フラッシュのワイヤレスシンクを使った多灯ライティングが試せる屋内ポートレート、2階に設けられた望遠コーナーの5つの体験ブースが人気を集めていた。

CP+2017に出展したソニーのブース。カメラ、レンズのラインナップが勢ぞろい

点光源の丸ボケが美しい「FE 100mm STF GM」

最新のEマウント交換レンズ「FE 100mm STF GM」はこの4月に発売予定。「アポダイゼーションフィルター」と呼ばれる柔らかいボケを生成する光学フィルターを採用した製品だ。明るさはやや犠牲なるが、前ボケ、後ボケとも美しいボケ味が得られる。コントラストAFと像面位相差AFの両方に対応して、ダイレクトドライブSSMにより、高速、高精度、サイレントなAF性能を誇る。ソニーストア価格は税別172,500円。

「FE 100mm STF GM」はキレイなボケを追求した大口径単焦点レンズ。開放絞り値F2.8の割には、重さ約700gと大柄なレンズになっている

中心部から周辺部にかけて段階的に光量を減らしていく「アポダイゼーションフィルター」がレンズの内部に組み込まれている

特に美しいボケが得られる絞りの範囲はF5.6からF8まで。その間は微調整がしやすいように、絞りリングの移動量が広くとってある

α7R IIを使って撮影した、FE 100mmF2.8 STF GMの実写データ (F5.6 -0.3 1/100 ISO320)。手前の植物と点光源の丸ボケが美しい。クリックして拡大後、原寸大画像にアクセス可能

ハイコスパで大口径「FE 85mmF1.8」

ソニーブースでは、「FE 85mmF1.8」の試写も可能だ。同レンズは、色収差の少ないEDガラスを採用し、9枚羽根円形絞りと球面収差形状を最適化。周辺部までシャープな描写と美しいボケを両立している。4月発売予定でソニーストア価格は税別59,630円。ダブルリニアモーターにより、試写では素早いAFで快適に撮影できた。

「FE 85mmF1.8」は開放絞り値F1.8の大口径ながら、約371gと思ったより軽量でバランスも悪くない。これで防塵、防滴に配慮した設計なのだ

ハイコスパながら、フォーカスモードスイッチとフォーカスフォールドボタンを搭載して操作性にも抜かりなし

フワフワしたセーターの柔らかい質感、モデルの目に合ったフォーカス、前後のボケの美しさなど、さすが大口径単焦点レンズと思わせくれた。α7R IIを使用 (F1.8 1/200秒 ISO100)。クリックして拡大後、原寸大画像にアクセス可能

2階の望遠コーナーから見た屋外ポートレートブース。屋外ポートレートは1番人気だった。狙い目は屋内ポートレートブースである

最高ISO感度409600の実力を体験できる夜景ジオラマ

「α7S II」に搭載された約1,220万画素35mmフルサイズCMOSセンサーが実現したISO409600を体験するための夜景鉄道ジオラマブースも設置された。ブースの中は自分の手元も見えないほどの暗さ。明かりはジオラマの照明のみだ。手前に水面、その奥には鉄道の駅と街並みが広がり、列車も走っている精巧なものだ。

夜景ジオラマブース内の様子

以下3点はすべて、α7S IIとVario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSのセットで撮影した写真だ

F4.0 1/15秒 ISO12800

F4.0 1/30秒 ISO25600

F5.6 1/125秒 ISO409600

スポーツ撮影コーナーでは2チームに分かれて試合さながらのゴール際の争いを再現。周囲はAFを使った連写性能を試す人々で溢れていた