データ保護の観点でセキュリティ機能を強化し、ランサムウェアに対抗

アクロニス・ジャパンは2月15日、定番バックアップソフトの最新版となる「Acronis True Image 2017 New Generation」を発表した。

従来製品は永続ライセンス版とサブスクリプション形式に分かれていたが、ATI2017NGはプレミアム版サブスクリプションでの提供となる。1TBのクラウドストレージも標準で付属。1年間の税別価格は、PC×1台版が9,980円、PC×3台版が14,980円、PC×5台版が15,980円だ。なお、クラウドストレージは有償で5TBまで増やせる。従来のAcronis True Image 2017は継続販売され、サブスクリプション版はStanderd版として提供を続ける。

2月15日に開催された発表会では、アクロニス・ジャパンの代表取締役 大岩氏が以下のように述べた。

アクロニス・ジャパン 代表取締役 大岩憲三氏

「同じ年代の製品で2回発表するのは初めてだが、今回、データ保護の観点からセキュリティ機能を強化した。

アクロニスはセキュリティベンダーではないが、データ保護は広義のセキュリティ要素。バックアップソリューションを提供する会社として、ランサムウェアの脅威に対して1秒でもデータ破損することがないだけでなく、仮にデータが破損した場合でも復旧を最短で行える。

データの保管先の1つであるバックアップセンターは、日本の2拠点を含む世界14拠点にある。クラウドストレージの価格も、1TBあたり月831円と、他のベンダーに負けない競争力を持っている」(大岩氏)。

引き続き、ゲストとしてカスペルスキーの川合社長が登場。同社が行っている取り組み「No More Ransom」について紹介した。「ランサムウェアがなぜ問題なのか」に関しては、攻撃者側にとって手軽な手段であるとともに、この手のセキュリティ問題では珍しく日本が攻撃先のトップになっているとのこと。

そこでセキュリティベンダーだけではなく、他の企業と「No More Ransom」というプロジェクトを立ち上げた。その成果として、ランサムウェアで暗号化されてしまった環境の、5,000件の復元を達成しているという。これを機会に、アクロニスや日本の警視庁にも参画してほしいと訴えた。

カスペルスキー 代表取締役社長 川合林太郎氏

カスペルスキーが過去1年間で発見したランサムウェア。2016年に入って急に亜種が増大

ランサムウェアに最も狙われた国は日本。従来、セキュリティ事象で日本がトップになったというのはほとんどない

ランサムウェア攻撃の理由は「簡単だから」。データを換金する必要もなく、実のところランサムウェアを作成する必要すらない

ランサムウェア配布から送金まで一括サポートするサイトの例。多く感染させるような文章を考えるだけでよいそうだ

カスペルスキーが主体となって立ち上げた「No More Ransom」プロジェクト。ヨーロッパからスタートしたが、ここまで広がりを見せている