ベンチャーと協業するインキュベーター事業を展開

こうした製品の中にはハードウェアベンチャーと協業したものが含まれており、その数は77社に上るという。それらをシャオミブランドの製品に仕上げ、グローバルに展開していくのがシャオミのインキュベーター事業だ。

77社のベンチャーと組みインキュベーター事業を展開

シャオミブランドでグローバルに展開する

面白いのは、シャオミはこれらのデバイスを闇雲に出しているのではなく、共通した世界観として「Mi Ecosystem」というエコシステムを提唱している点だ。具体的には、「Mi Home」というスマホ用のアプリを通して複数のデバイスを管理できる仕組みになっている。

複数のシャオミデバイスを一元管理できる「Mi Home」アプリ

最近、IoTやスマートホームの製品は続々と登場している。だが各メーカーが独自にアプリを作り込んでしまうと、家庭内でそれぞれの機器をコントロールするのに別のアプリを使うことになってしまう。これではいかにも面倒だ。

そこでスマートホームではアップルの「HomeKit」ようなプラットフォームが重要になってくる。シャオミの場合、「Mi Home」アプリに接続できることがそれに相当する。このプラットフォーム中心の製品展開は日本企業が苦手とされる領域であり、学ぶべき点は多いのではないだろうか。

シャオミはまだ日本上陸は果たしておらず、海外展開も破竹の勢いというわけではない。グローバル戦略を担当するPRマネージャーは、「シャオミはまだまだ小さなチームであり、海外市場は優先順位を付けながら進出していく。日本市場は魅力的だが、極端にハイエンドが好まれる市場でもあり、容易ではない」と見る。だがスマホメーカーの枠を超えて、中国のハードウェアベンチャーをひとつのエコシステムに取り込んでいくという事業戦略には注目したい。