研究開発への投資額ではアップルを上回る
なぜファーウェイはスマホ市場でシェアを急拡大できたのだろうか。一般には、最近のスマホはどれも似たり寄ったりで、価格の安い中国製が有利、というイメージがあるかもしれない。
実際のところ、ファーウェイ端末が性能や品質に比べて安価であることは国内メーカー関係者も認めるところだ。だが、ファーウェイは基幹部品であるSoCを自社で開発し、カメラでは独ライカカメラと提携するなど、要素技術でも他を圧倒している面がある。
また、今日のスマホはハードだけでは売れない。「デュアルカメラ」はブームになっているが、2つのカメラをどう活用するかはソフトウェア次第だ。世界的に人気の「自撮り」(セルフィー)も、肌を美しく描写するモードが女性を中心に受けているが、これもソフトウェアの力がなせる技である。
さらにファーウェイはスマホなど端末事業に参入する以前から、携帯電話の基地局などインフラ事業で定評がある。ユー氏が「あまり知られていないが、世界人口の3分の1をつないでいる」と語る通り、ネットワークインフラを支える裏方の企業でもあるのだ。
これらのインフラ事業を含め、ファーウェイは研究開発への投資が盛んな企業としても知られており、2016年は92億ドルで世界第9位とアップルを上回った。今後は研究開発への投資額で世界トップを目指すという。