セットすると、外側の釜に熱が加えられる。それによって発生した蒸気が、2つの釜の間から上にあがり、内側の釜に熱を加える仕組みになっている。土鍋でできる、ゆっくりとした加熱がこれによって可能になるのだ。

同社独自の温度制御技術によって、内側の釜が、急激な温度変化を起こしたり、水が沸騰する100度を超えないようにコントロールされている。沸騰すると、コメが釜の中で動き、煮崩れしてしまう。この方法によって炊かれる柔らかいごはんが好みの人もいるだろうが、同社の目指すごはんは、張りがあって、粒が立つものだ。だから、表面が崩れないようにゆるやかに熱が入るようにしている。

外側の釜と内側の釜の間には空洞ができるようになっていて、外側の釜に熱を加えると水が熱せられて水蒸気になり、内側の釜に熱が加わる

冷めてもおいしい、省スペース

実際に食べてみると、炊きたてのごはんは、食感がしっかりとしていて、噛んでいるとだんだん口の中に甘みが広がった。好きなごはんの炊き上がりは、人によってまちまちだろうが、筆者は食べやすいという印象を受けた。 ごはんはさらにおかずとの相性も大事だが、ほぐれやすいから、明太子や、海苔、ふりかけ、そして生卵との絡まり具合も、ほどよかった。

炊き上がったばかりのごはんを試食

そうは言っても、炊き上がったばかりのごはんは、大体おいしい。実力が出てくるのは、その後。冷めてしまって、味が落ちることが多いが、試食に出てきた冷めたおにぎりは、ほどよい硬さと、噛みしめるほどに出てくる味が健在していた。

3合炊きまでというのは、ファミリーには向かないサイズであるし、保温機能がついていない。しかし、3合炊きであるがゆえに、スペースをとらない。冷めても味の劣化が少ないとあれば、単身者や、作り置きをよくする人、弁当用にごはんを炊く頻度が高い消費者にとっては、むしろ味にこだわった分、機能はシンプルでちょうどいいという人もいるだろう。

バレーボールやバスケットボールのボールと同じくらいのサイズ感