完全に思いつきでは? そんな状況から始まったiPhone 6sポーチ作り。まずはiPhoneオモテ面の刺繍からスタートした。用意するのはクロスステッチという刺繍法の専用布地と刺繍糸だ。

アラフォーあたりの方には懐かしさを感じる縫い物箱、そして刺繍糸と布

クロスステッチというのは布に「×」と記す縫い方で、「×」の連なりで模様や図案を描き出す手法だ。つまり布上にドット絵を描く感じ。アナログ作業続きな今回の製作において、唯一「スマホとデジタル家電」カテゴリらしいデジタルな要素かと思われるので重要だ。

そんなクロスステッチで布地にiPhone 6sの模様を描き出すためには、縦幅や横幅、ベゼル、アイコンなどモチーフの各要素が何目、つまりドットが何個必要か事前に計算する必要がある。方眼紙を使って綿密なチャートを起こし、チャートから何目必要か把握し、縫っていくのが正道だ。聞けばチャート作成の専用ソフトもあるという。

……だが。 面倒なので今回はチャート作りを割愛。はい、そこ、「えー」って言わない。実物大にプリントしたiPhone6sを見ながら、いきなり縫いに入るのだ。行き当たりばった……もとい、アドリブ重視が筆者の方針である。

プリントしたiPhone 6s見ながらチャッチャッと縫っていきますよ

適当に思える製作手順でも、輪郭とボリューム、スリープボタンを作り、ベゼル部分を埋め、画面のバックをスカイブルー、ドック部分をグレーで縫っていくと、早くもほのかなiPhone感。

この時点で何となくiPhoneっぽく見えてくる。人間の認知機能のなせる技か

しかし、順風満帆とは言い難い状況だ。