今回はドコモのGalaxy S7 edgeを持ち出し、iD/NFCでロンドンの街を巡ってみた。まずは地下鉄。改札は紙の切符の挿入口の上に、円形のリーダーが設置されており、ここにスマートフォンをタッチする。Oysterのマークに加えて、コンタクトレス対応の掲示もある。なぜかGalaxy S7 edgeは反応が悪く、一度で通過できない場合もあった。もともとNFCチップ周りが特殊という話もあり、その影響か……と思いつつ、別の改札機にタッチしてみると一発で通過できる場合もあって、いまいちよく分からない。日本のSuicaほどスピードに対してシビアでないため、反応自体もそれほど早くはない。タッチしてから一拍置く印象だ。

地下鉄でiD/NFCによる鉄道の乗車にチャレンジ

地下鉄の改札口にはコンタクトレス対応の印

入場時の動画。一発で通れると快適

こちらは退場時。2回失敗したので改札を変えてみたら一発で通過できた

周囲を見てみると、ほとんどの人はカードタイプの、恐らくは定期券型のOysterカードをタッチしているが、1人だけ、iPhoneで支払っているのを発見。改札機に来てからWalletアプリを起ち上げてTouch IDでタッチするというなかなか悠長なやり方をしていた。スマートフォンにOysterカードが入らないと、わざわざカードから移行する人はいないのだろうと思われた。また、これも1人だけ、腕に巻いた腕時計で改札機にタッチしているのを見かけた。恐らくApple Watchだろう。ただ、カード以外を使っているのを見たのは、この2人だけだった。もう少し時間があれば、じっくりと観察したいところだ。

ロンドンの地下鉄は、日本と同様に入口と出口に改札があるので、出るときもスマートフォンでリーダーにタッチする。これも反応しないときがあったが、2度3度繰り返して、ダメなら隣の改札機でチャレンジ。そうしたら一発で通過できた。

続いて、TfLが運用する市内のバスも乗車してみた。バスは乗車口にOysterカード用のリーダーがあり、タッチすれば乗車できる。バスは距離に関わらず定額なので先払いになる。バスでは全員がOysterカードを使っていたようで、スマートフォン利用者は見当たらなかった。地下鉄と同様、バスにもOysterカードとクレジットカードのコンタクトレスを利用できる点がアピールされていた。

ロンドンの2階建てバス

入口にコンタクトレス対応の表示。乗車したら、駅の改札と同じリーダーが設置されているのでタッチすればいい

問題は、「いくら支払ったか分からない」ということだ。ロンドンの地下鉄はゾーン制なので、基本的にゾーン内ならどこで乗り降りしても料金は変わらない。バスは定額だ。TfLの場合は「1日分をまとめて請求する」しかできないようで、1日の乗車料金が、地下鉄もバスも後日まとめてクレジットカードに請求される。1回ごとの料金が判明しないのはちょっと気になるところではある。

iD/NFCの明細を確認すると、TfLの支払い(TFL.GOV.UK)は一括して920円が支払われている(地下鉄の乗車2回、バス1回分)

交通系の場合、タクシーもコンタクトレス対応が多かった。掲示のあるタクシーを選べばやはりサイフを取り出す必要がない