楽天モバイルが目指すのは何か

同社が目指すのは、スローガンに掲げる「ちょっといいモバイル、もっと楽しい毎日。」だ。デザイン、品質などを様々な面から判断し、ライフスタイルを変えうる商品を提供していきたいという。そうした基準から選んだ結果として、今回の高額ドローンがある。

楽天モバイルのスローガン

とはいえ、価格が価格だけに、量は掃けなさそうである。その点について、楽天モバイルも今回のドローンが人を選ぶものであることを承知しているという。そう聞くと再び湧くのが、手の届きやすい価格帯のドローンでも良かったのではないか、という疑問だ。

それが楽天モバイル流といわれればそれまでかもしれない。しかし、それでは説明しきれていないように思えるのだ。

さらに突っ込むと黒住氏が次のようにコメントしてくれた。「格安スマホという言葉にはどこか、安かろう、悪かろうというイメージがある。そうしたイメージを増長することはやりたくない。お客さんが納得できる品質、料金、サービスを提供していきたい」(黒住氏)。

思えば、MVNOは500社を超える激戦状態にある。価格競争に始まり、大手MVNOはサービスの多様化を進めているが、新しく出てくるものはどれも、いかに安くできたか、お得になるか、という視点で述べられがちだ。ある意味、楽天モバイルの目標は、価格競争から外れたところに価値を置いており、ユーザーの納得をいかにして得るかを重視しているように思える。

それを考えれば、必ずしも安いことがいいことではない、普及価格帯がいいわけではない、だからこそ14万円のドローンだったというのも頷ける。同社は今後も関連商品をスマートデバイス、IoT関連商品を増やしていくというが、それらが「ちょっといいモバイル、もっと楽しい毎日」を感じさせるものになるだろうか。次なる取扱い商品が楽天モバイルのイメージをさらに鮮明にしていきそうだ。