テクノロジーを実生活へと変える
Amazon Goを実現する技術は、アマゾンによると「自動運転車のものと同じ」だという。
コンピュータビジョンは、ユーザーが入店してバーコードを読み取ってから、カメラで顔を認識し、どこにいるかを、何をしているかを追跡する。
センサーフュージョンは、ユーザーが何の商品を取ったかを認識するのに使われているようだ。そして、深層学習アルゴリズムによって、これらが解析され、正確なユーザー行動、すなわち何を手に取り、何を戻したか、という情報を認識する。
個別の技術がトレンドであり、未来の生活に役立つ要素技術になることは頭では理解できる。そしてその存在も知られてきた。しかしそれがどのように利用されるのか、という実例がなければ、なかなか理解しにくいのも事実だ。技術そのものは、既に我々が知っている恐れるべきものではない。 こうした点でAmazon Goは、これらのテクノロジーによって、我々の生活がどのように変わるのかを提示してくれた。
これが、米国のメディアが大きく注目した理由でもあり、未来への理解を助ける貴重な実例なのだ。もちろん、Amazon Goを利用する顧客のデータはアマゾンに集まるだろう。
顧客データは、「データ史上主義」となっているシリコンバレーのスタートアップも収集している。ただし、実店舗がある点が、決定的に違うのだ。ただショッピングを快適にできれば良い。より直接的なゴールがそこにあるからで、データを顧客体験の向上へと読み替える必要はないのだ。