国も教育のICT化に本腰を入れ始めた

現在、文部科学省は、教育現場におけるICT環境の整備を推し進めている。Stage1からStage4まで具体的なステップが示されるなど、その施策に本腰を入れつつあるようだ。時期の目安となるのが、学習指導要領が改訂される2020年。主体的・対話的で深い学び(=アクティブ・ラーニング)を実践できる土壌づくりを目指しており、この2020年までに、「電子黒板+学びのスタイルにより1人1台の可動式PC+無線LAN+個人フォルダ」という環境を整備していきたい考えだ。

文部科学省では教育現場におけるICT環境の整備を推し進めるべく、Stage1からStage4まで具体的なステップを示している(左)

エプソン販売の橋本氏も、「ICTは子どもたちへの教育、教員の生産性の向上など、教育現場に大きく貢献できる可能性を持っている」と力を込める。とはいえ、なかなか整備が進んでいないのが実状。

現場からは「準備が大変そう」「難しそう」「新たな教材作成が大変だ」といった声が聞こえてくる。常日頃から、授業の準備や子どもの評価に追われている教師たちの負担を考えれば、仕方のないことだろう(それでなくても教師の負担増が問題になっている)。

教育現場に大きく貢献できる可能性を持っている、ICTを中心にした授業。実現するには、まだいくつもの壁を乗り越えていく必要がありそうだ

「当社の電子黒板は、先生方がいかに負担なく、簡単に使ってもらえるかを追求している。すべての先生に活用して貰うべく商品提案をしていきたい」(橋本氏)。できるだけ導入のハードルを下げたい、という思いが、「アナログ教材の活用」「デジタル教科書・教材の活用」「学習者用タブレット端末の活用」という3ステップの提案につながったと話していた。

ICT導入の効果について議論は進んでいるが、実際の現場では整備も活用も進んでいない。エプソンでは教師の負担を最小化できるよう、製品提案の形を工夫している