Samsung ElectronicsがHarman International Industriesを買収することで合意した。11月14日の発表によると、SamsungはHarman株1株あたり112ドルの現金を支払い、買収総額は約80億ドルになる。完了するとSamsungにとって過去最大の企業買収になる。

Harmanは傘下にHarman Kardon、AKG、JBLといったコンシューマ向けオーディオシステムの有力ブランドを持つが、Samsungは買収の狙いとして成長著しいコネクテッド技術を挙げ、特に車載電子機器に本格参入できる重要性を指摘している。

Harmanのコネクテッドカー技術とオーディオシステムは3000万台以上の車に採用されており、2016年9月末までの1年間の売上高はHarman全体の売上高の65%に相当する70億ドルだった。スマート化するコネクテッドカーは、ディスプレイや半導体、通信、ユーザーインターフェイス、コネクテッドサービスなど、様々な技術とサービスが融合したプラットフォームである。HarmanのCEOであるDinesh Paliwal氏は、SamsungとHarmanはコネクテッド分野で互いの強みを組み合わせて相乗効果を生み出せる「理想的なパートナー」と述べている。

一方でHarmanのオーディオ事業についても、Samsungは同社のモバイル製品、ディスプレイ製品、VR(仮想現実)製品などの競争力の向上につながるとしている。