画像処理技術を扱うリンクスは10月6日、スイス・ESPROS社製のToF(Time of Flight)方式CCDセンサー「epcシリーズ」の販売を11月より開始すると発表した。

ESPROS社の概要。自社で半導体製造工場を保有していることが強み

ToF方式はカメラの光源からの光が、計測対象に反射してカメラに戻ってくるまでの時間を計測することで、対象物との距離を算出する手法。他の手法と比べて1度の測定でカメラからの距離を「面」で計測できるというメリットがある。スキャナは測量機器や人感センサーに使用されているほか、自動車分野でも採用に向けた取り組みが進められている。

ToF方式の概要

「epcシリーズ」は通常のToF方式CCDセンサーに比べて外乱光に対する耐性が高く、直射日光下でも使用可能。例えば、エレベーターに適用すれば、エレベーターに向かって歩く人とエレベーターの前を通り過ぎる人の判別が可能となる。

「epcシリーズ」のデモンストレーション。1回の測定でこれだけの対象物まで距離を測定できる

これまで工業用画像処理を中心としたビジネスを展開してきたリンクスだが、「epcシリーズ」は民生製品で使用される。海外では自動ドアや無人搬送車、ドローンなどで採用実績があり、リンクスは国内でもこれらのアプリケーションで使用されるカメラのメーカーに向けて販売していくとしている。

リンクスが想定するToF方式CCDセンサーの活用分野