5年前からのリサーチと発売後のフィードバックまで優れたUXを現実に

マックス・スー氏が属するEDG(Experience Design Group)は、世界の5拠点でデル製品をデザインする組織。5年前からUX(ユーザー体験)の将来像をリサーチし、プランニング、デザイン、製品開発だけでなく、製品出荷後もフォードバックを調査して、次の改良に役立ててきている。

DELL Inc. エキスペリエンス・デザイン・グループ デザイン・ディレクター、マックス・スー氏。手に持っているのはVostro 5000シリーズ

エキスペリエンス・デザイン・グループは、将来像の予測、UXや製品デザインに関わる組織。上の数字は「製品投入前後の月数」だ

今回のVostroでは「I Arrow 2DL」(デザイン言語)を採用し、直感的かつ個性的なデザインに仕上げていると強調した。実機を見る限りでは、Vostro 5000シリーズのほうがデザインコンセプトをより強く感じる。

また、操作する本人が作業のために「見るPC」と、操作する人からの視線を含めて「見られているPC」でイメージを変えている。キーボード面などの内側はダークな色合いで作業を行いやすくしつつ、天板などの外側はプレミアム感ある素材、色、加工によって、カッコよさを出すデザインにしたという。

カラーリングに関しては、2年~3年前から複数の調査機関と連携したリサーチを行い、平凡なブラックから脱却した新ニュートラルカラーを採用。今までのブルーよりも落ち着いたミッドナイトブルーや、グレー、ホワイトが特徴的になっている。

Vostro 5000シリーズは、ニュートラルな色調のパールとメタリック仕上げ、内側は全体ヘアライン仕上げな一方、タッチパッドの周りはダイヤモンドカットにするというさりげない洗練さを散りばめた。Vostro 3000シリーズは、プラスチックぽさと射出成型の難を取り除くためのケミカルエッチングによるマイクロパターンを採用している。光沢デザインのホワイトモデルは、女性に好まれるのではないかと述べた。

さらに、世代を超えた使いやすさを実現するため、タッチパッドやキーボードの寸法、レイアウトを共通化。将来的に新しいVostroへと買い替えても、使い心地の継承が行われるとし、長期にわたって使われるビジネス向けPCへの配慮をアピールした。

エントリー向けのVostroシリーズながら、今回は外装にコダワリを見せる。Vostro 5000シリーズの内装は全体がヘアライン仕上げ、かつ、タッチパッドの周囲をダイヤモンドカット

Vostro 3000シリーズはプラスチック外装だが、ケミカルエッチング加工によって品格を上げ、従来の安っぽさから脱却を図った

最後に、デルの文氏が日本での製品展開について説明。ビジネス向けシリーズということで、非光沢液晶と外部D-Sub端子は必須と判断された。さらに、Vostroシリーズとしては初の、TPM/指紋認証などのセキュリティ機能(一部オプション)に対応。中小企業だけでなく、ラージエンタープライズのエントリー用途としても活用できるとした。

Vostro 3000シリーズは14型と15.6型で展開。第7世代Intel Coreプロセッサ(開発コードネーム:Kabylake)とDDR4メモリを搭載したモデルも用意する。カラーリングは、14型が黒とグレー、ホワイト、15.6型が黒とグレー、レッドだ。

Vostro 5000シリーズも、14型と15.6型で展開する。Vostro 3000シリーズと同じく、第7世代Intel Coreプロセッサ(開発コードネーム:Kabylake)とDDR4メモリを搭載したモデルを用意。カラーリングは、14型がグレーとゴールド、15.6型がグレーとゴールド、そしてナイトブルーだ。

デル クライアント・ソリューション統括本部 クライアント・ソリューションズ・マーケティング本部 コマーシャルリーダー、文英梅氏

Vostro 3000シリーズはビジネス仕様を押さえつつ、洗練デザインとビジネス向けに強化されたセキュリティが魅力

Vostro 5000シリーズは、スタイリッシュで薄く軽く、バッテリライフも向上。液晶ディスプレイの解像度としてフルHDモデルも用意されている

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OSに関してだが、Windows 10(Home/Pro)のダウングレード権を行使するWindows 7モデルは、すでに中小企業でWindows 10への移行が進んでいることから、現時点では提供の予定がないという。