ARMは9月20日(英国時間)、自律走行車および医療/産業用ロボット向けの高度な安全機能を備えた新しいリアルタイムプロセッサ「ARM Cortex-R52」を発表した。

同プロセッサは、効率性と迅速な反応に加え、高度な安全機能が求められるシステムに最適化しており、手術の自動化、安全管理、車載パワートレイン制御などさまざまなアプリケーションを実現する。具体的には、車載/産業用機器市場の安全規格であるISO 26262 ASIL DとIEC 61508 SIL 3に適合している。

Cortex-R52では、ハードウェアによるソフトウェアタスクの分離機能により、安全最優先のコードが完全に分離されるため、ハードウェアは、実行の監視とタスクのリソース管理を行うソフトウェアハイパーバイザによって管理される。ソフトウェアの正確で堅牢な分離により、安全認証を必要とするコードの量を減らし、ソフトウェアの統合、メンテナンス、検証を容易にすることで開発期間を短縮できるほか、ソフトウェアの複雑化を抑え、 リアルタイムシステムが求める確定性と高速コンテキストスイッチも提供するとしている。

ARMは新プロセッサについて「Cortex-R52は、ARMv8-Rアーキテクチャを採用した最初のプロセッサであり、最初から機能安全を目的として設計されました。当社は、パートナー各社が特定市場でチャンスをつかむお手伝いをします。特に、完全な自律走行車やロボティクスシステムでは、安全最優先のタスクに特殊な機能が求められるためです。厳格な開発プロセスの文書化、障害モデリング、ソフトウェア分離のサポートにより、ARMはこれらのアプリケーションに取り組むパートナー各社の製品化期間を短縮します」と説明している。