[VMworld 2016]ヴイエムウェア、エンドポイントのデジタル変革を推進する製品群を強化

米ヴイエムウェアは、米国ネバダ州ラスベガスにおいて、同社の年次イベント「VMworld 2016」を開催している(8月28日～9月1日)。8月30日の基調講演は、米ヴイエムウェアでエンドユーザーコンピューティング担当エグゼクティブバイスプレジデントのサンジェイ・プーネン（Sanjay Poonen）氏らが登壇。統合エンドポイント管理の機能強化や、昨年発表した「VMware vSphere Integrated Containers」の機能拡張などを発表した。

「トラスト・ポイント」で統合エンドポイント管理の強化

冒頭、プーネン氏は、「ヴイエムウェアは現在、2つの点にフォーカスしている。1つは、データセンターを変革し、パブリッククラウドに備えること。もう1つは、エンドユーザーの"手元"でデジタル変革を実現し、モバイルクラウド時代に備えることだ」と語り、エンドユーザーのデジタル変革で重要なのは、「統合エンドポイント管理」「アプリのID管理」「利便性とセキュリティの両立」であると強調した。

ヴイエムウェアは2016年2月、ユーザーがデバイスや場所に縛られることなく業務アプリケーションにアクセスできるプラットフォームとして、「VMware Workspace ONE」を発表している。今回発表した統合エンドポイント管理の強化は、「VMware Workspace ONE」を堅牢かつ、セキュアにすることが目的だ。具体的には「VMware AirWatch」が備える「モバイルデバイスマネジメント」「アプリケーションマネジメント」、2016年第2四半期に提供予定の「トラスト・ポイント」によって、管理機能を強化する。

「トラスト・ポイント」は、米タニウム（Tanium）のエンドポイント・セキュリティ・パッケージと、デスクトップ イメージ管理（VMware Mirage）を包含する。タニウムのパッケージは、デバイスの情報をリアルタイムに収集・分析し、不正な外部接続、未承認のアプリケーションの利用、脆弱性のあるシステムに対するアクセスの有無などを可視化する機能を提供する。ヴイエムウェアでは、「トラスト・ポイントがVMware Workspace ONEに追加されたことで、エンドユーザーには『自由』を、管理者には『コントロール』を提供できるようになる」と説明する。

また、デスクトップ/アプリケーション仮想化ソフトウェア製品である「Horizon 7」の機能強化も図られた。特にHorizon 7では、独自プロトコルである「VMware Blast Extreme」の機能が強化され、画面転送時の帯域幅を最大で6倍、オーディオストリーミングでは最大で15%削減を実現したという。

「VMware vSphere Integrated Containers」の新機能も

一方、「VMware vSphere Integrated Containers」には、レジストリ機能とマネジメントコンソール機能が新たに搭載された。「VMware vSphere Integrated Containers」は、本番環境向けのコンテナベースのインフラを開発者に提供し、クラウド・ネイティブ・アプリケーションの迅速な導入を支援するもの。2015年8月にプレビュー版が公開されている。

マネジメントコンソールの新機能である「Admiral」は、vSphere Integrated Containers向けのビルトインのコンテナ管理ポータルである。「VMware vRealize Automation」とAdmiralを併用することでIT部門は、アプリケーション開発部門に「CaaS（Container as a service）」をデリバリできるようになるという。

また「Harbor」は、Docker Distributionをベースにした、エンタープライズ・コンテナ・レジストリの新機能だ。ユーザー管理やアクセスコントロール、ポリシーベースでのイメージ複製、監査とログのサポートなどを提供する。なお、vSphere Integrated Containersは、オープンソース ソフトウェアとして、GitHubからダウンロード提供される。