弁護士ドットコムは7月21日、ソフトバンクが展開する「IBM Watson エコシステムプログラム」に参加し、「IBM Watson 日本語版」を利用する企業法務サービスである「コグニティブ法務案件FAQ」の開発に着手すると発表した。同社によると、同テクノロジーを利用する同種のサービスは国内初という。

新サービスは企業のバックオフィスサービスとして、コグニティブ・コンピューティング技術を利用する自動での法務案件回答や契約内容審査を提供し、バックオフィス業務の効率化を目指している。

同サービスは、これまで企業の各部署が法務部門に質問・確認していた法務相談を同サービスに質問することで、膨大な判例・法令データから最適な回答を自動で行うほか、各企業独自の方針、または各業界に適した法的アドバイスを即時に行うこともできるという。

また、契約書審査においても膨大な契約情報を基に自動審査を行い、即時に自社に適した契約内容に修正/作成、およびリスク情報を抽出することが可能。契約書審査は、同社が運営するクラウド契約サービス「クラウドサイン」で契約書の自動審査を可能にすることも予定し、契約書の自動修正/作成を行ったうえで相手方と契約締結するサービスに進化するという。

現在、予定している機能は法務相談の即答機能、契約内容の審査、法務ナレッジの蓄積の3点。法務相談の即答機能は、同サービスが回答可能な案件はすぐに回答を提示し、要検討案件を法務部門が対応するもの。

契約内容の審査では、膨大な契約情報を基に同サービスが自動審査し、自社に適した契約の修正/作成を支援する。法務ナレッジの蓄積は、法務案件のナレッジをIBM Watsonの利用により学習データとして蓄積し、業務の標準化や回答精度の向上を図るという。

今後、同社は同サービスをはじめとする企業法務サービスを普及させるとともに、2016年6月に新設した「LegalTech Lab」において人工知能関連技術やブロックチェーン技術などを有する企業や研究機関とのアライアンスを推進し、研究・開発を加速させていく方針だ。