最も分かりやすい3D Touchの拡張は、「インターフェイスの拡張」だ。

iOS 9ではキーボードを押し込むとトラックパッドのようにカーソル移動ができる仕組みを備えている。また、標準アプリの「メモ」や、サードパーティ製の「Sketch」といった描画系アプリでは、指先の力のかけ具合を感知して線の太さを調節することができる。

3D Touchの圧力を活用したゲームも登場している。WWDC16で毎年、優れたアプリを表彰するApple Design Awardで、スカラーシップで参加した学生の作品、Dividrは、3D Touchの繊細な圧力で自機を操作するアクションゲームだった。

また、「コンテンツの内容表示」は、おそらく最も多くの人々が試している3D Touchの機能だ。画面遷移なし、もしくはアプリ切り替えなしでリンクやコンテンツの中身を見ることができるこの機能は、メッセージやメール、写真などの多数の情報を扱うアプリの中で重宝する。

リッチ通知を開くこともまた、通知に届いている内容を拡張表示して追加の情報閲覧や操作を行うことができるようにする点で、この「コンテンツ内容の表示」に分類することができる。

これまで、インターフェイスの拡張とコンテンツ内容の表示という、2つの原則についての充実は触れてきた。しかし、機能へのショートカットについては、ユーザー体験をよりシンプルにすることができる可能性があるにもかかわらず、さほど追求されてこなかった領域だった。