AppleがWWDC16で披露したiOS 10。秋の正式リリースを前に、現在開発者向けのプレビューが公開されており、一般ユーザー向けにも7月にはパブリックプレビュー版が提供される予定だ。
そのiOS 10で、筆者が一般的な使い方において最も大きな影響を与えると考えているのが「通知」だ。
AppleはiOS 10で、通知の中にアプリの様々な機能を呼び出すことができる、インタラクティブな「リッチ通知」を導入し、幾つかの開発者のアプリでその動作風景を披露した。このリッチ通知は、iPhoneの使い方を根本的に変えてしまうのではないか、と期待している。
iOS 10で導入されるリッチ通知について、簡単におさらいしておこう。
通知は、iPhoneにインストールされているアプリに届く新着情報を、ロック画面や画面上部に表示して知らせる機能だ。メッセージやSNS、カレンダーだけでなく、最近ではゲームも通知を送ってくる。
通知の役割はこれまで、「アプリを起動してください」とユーザーにアクションを促すためのツールになってきた。アプリが増えれば増えるほど通知の件数は増えていく。ユーザーは、通知を受ける、受けないという選択をしておかないと、通知が鳴りっぱなしで疲れてしまうことになる。
リッチ通知は、こうした通知の役割を大きく変化させる。これまで新着を知らせることが主だった機能だったが、iOS 10では、新着を知らせた上で、アクションが必要な作業をその場で済ませることができるようにしたのだ。
例えばiMessageが届いた際、いままでは届いたことを知ってアプリへ行くか、その場でテキストの1行返信を返すだけだった。しかしリッチ通知が導入されたiOS 10では、3D Touchで通知を押し込むと、画面にメッセージアプリのその人とのスレッドが開き、スタンプや写真添付などを含むフル機能でのメッセージ編集ができる。
通知を開きっぱなしにしておけば、もし相手から次の返信が来た時にもメッセージが流れてくるし、過去の会話の流れを振り返ることも可能だ。