Googleは6月7日、iPhoneの「Live Photos」からGIFアニメを作成するiOSアプリ「Motion Stills」を公開した。Live Photosといえば、シャッターを切る前後1.5秒を動画として保存するiPhone 6/6 Plus以降に登場したカメラアプリの機能だ。

しかし、Live Photosはユニークである反面、現時点では対応機種が限られている点から、撮影しても使えるシーンが少ないという問題があった。また、3秒の撮影時間で何を撮ればいいのか悩むところでもある。はたしてMotion Stillsは、そんなLive Photosの泣きどころを解消してくれるのだろうか。

Live Photos変換アプリ「Motion Stills」

GIFアニメを作成するのは簡単

Motion Stillsをインストールして起動し、チュートリアルを進めていくと端末の写真へのアクセス許可の通知が現れる。もちろん、ここでは「OK」をタップだ。すると、画面上にLive Photos一覧が表示される。GIFアニメを作るには、変換したいLive Photosを選択後、画面にあらわれる矢印ボタンをタップ。その後、「GIFを送信」を選択し、保存先や共有先を選択するだけと簡単だ (ただし、GIFアニメはデバイスに保存することは可能だが、iOSの「写真」アプリでアニメーションの再生はできない点は留意しておきたい)。

注意したいのは、デフォルトの状態では作成されたGIFアニメにMotion Stillsマークの透かしが入ってしまうこと。透かしを入れないようにするには、一覧画面を下にフリックして出てくる歯車マークをタップし設定画面を出してから、画面内の「透かし入りGIF」スイッチをオフにする必要がある。この設定画面では他にも、GIFの画面サイズが640×480、480×360、320×240の3種類から、クリップのリピート数が1×、3×の2種類から選択可能だ。

写真アプリへのアクセス許可の通知が出たら「OK」をタップ

一覧画面ではLive Photosが縦に表示される

任意のフォトを選択してから矢印ボタンをタップ

「GIFを送信」を選択する

共有シートからGIFアニメの保存先を選択

設定画面の「透かし入りGIF」スイッチをオフにすると透かしが入らない

MOV形式に変換することも可能

Motion Stillsで作成できるのはGIFアニメだけではない。「クリップを共有」を選択すればMOV形式の動画ファイルにも変換できる。GIFアニメだけでもWebやTwitterに掲載して楽しめるが、MOVファイルなら動画としてInstagramやFacebookにも投稿でき便利だ。

Live Photosに収録されている音声は、デフォルトの設定の場合、そのままMOVファイルに変換される。もし、音声を入れたくない場合は、任意のLive Photosを選択後にスピーカーボタンをタップすることでミュートすることも可能だ。

「クリップを共有」でMOV形式の動画として出力できる

共有シートのメニューにはInstagramも

スピーカーアイコンをタップすると動画に音声が入らない

Live Photos をつなげて変換する機能でさらに便利に

また、Motion Stillsで利便性が高いのが、複数のLive Photosをつなげてムービーが作れる機能。アプリ内の一覧画面で、Live Photosを右にスワイプすると画面下にサムネイルが表示される。つなげたいLive Photosを次々スワイプしてから、画面下のサムネイルをドラッグして表示したい順に並び替え。その後、緑のボタンをタップすればプレビューが表示されるので、問題がなければ先に紹介したのと同じように矢印ボタンをタップして保存・共有方法を選ぶだけ。

1枚のLive Photosを変換する場合、GIFアニメまたはMOVファイルにするかの選択になったが、つなげて変換する場合では「動画を共有」と「YouTubeにアップロード」の2つから選ぶことになる(ただし、YouTubeにアップロードする場合、YouTubeアプリのインストールが必要だ)。

今回、試しにデバイスに保存されている40枚を全部つなげてみたところ、問題なく1編の動画になった。しかし、使ってみてちょっと残念なのは、つなげたLive Photosの音声を一括でミュートできる機能がないこと。音声がうるさいと感じる場合は、つなげる前にひとつひとつのフォトをタップして消音設定にしておかないといけないのは面倒かもしれない。

動画に使いたいLive Photosを右にスワイプ

右スワイプしたフォトのサムネイルが画面下に表示される

矢印ボタンをタップすると「動画を共有」と「YouTubeにアップロードという選択肢が

動画サイトやSNS向けのLive Photos変換アプリ

Live Photosを加工できるアプリはMotion Stillsが初めてではなく、有名なところでAppleの純正アプリ「iMovie」がある。しかしiMovieは機能が多く本格的なムービーが制作できる一方で、操作に慣れないと使いづらい点も。また、書き出しができるのもMOVファイルのみ。

一方でMotion Stillsは、機能はシンプルなものの簡単にLive Photosを加工や変換ができるという点においては優れている。ちょっとSNSに投稿したい、または上映用にすぐ動画化したいという場合も、投稿先や用途に応じてサクッとGIFファイルやMOVファイルに変換できるのが強みだ。

Live Photosをあまり活用できていない、という方は一定数いるかもしれない。しかしLive Photosをつないで作品にできるうえ、直接SNSやYouTubeにアップロードできるとなると、ムービー作品を創るため積極的にLive Photosで撮っていきたいというモチベーションにつながりそうだ。また、これまで我が子やペットなどをLive Photosで撮りためてきたけれど、どうやって人に見せればいいだろうかと悩む場合でも、この機能を使えば簡単に動画にして、シェアしたり上映会などに利用するという使い方ができる。使いどころに迷うLive Photosを手軽さ重視で活用したいという場合、Motion Stillsは便利なツールと言えるだろう。

まさかLive PhotosもYouTubeで公開ができるようになるとは