絶対の自信を持つカメラとオーディオ

――ハードウェア的にはSnapDragon 820の搭載に加えて、カメラやオーディオの強化がポイントですね。

カメラについては特に力を入れていますが、いたずらに画素数を増やすのではなく、総合力を高めることに注力しました。メインカメラは1,200万画素ですが、画素そのものが一回り大きく、明るいf値1.8のレンズも合わせて、ひと昔前の高級コンパクトデジタルカメラ並みの性能です。結果的に画質は大きく向上し、業界でも厳しいベンチマークとして知られる「DxOMark」において、Samsungと並んでトップ(88点)の成績を収めました。iPhone 6sとは10点くらいの差がついています。

玉野社長が特に自信を覗かせるカメラ。会場で試し撮りしたが"HTC史上最強"と謳うのもうなずける出来だった

インカメラは500万画素ですが、今回超広角のレンズを搭載して、セルフィーでの集合写真がとりやすくなりました。35mmフィルム換算の数値は出していませんが、画角は86度と非常に広くなっています。さらに今回、インカメラにも手ブレ補正が付いているので、記念写真もしっかり撮影できます。

以前の端末では3Dやデュアルカメラを投入したことがありますが、出っ張りがあったり、手ブレ補正との相性があるので今回は採用していません。ただし3Dについては弊社はVRもやっているので、今後はまた検討したいと思います。

インカメラにも手を抜かない。世界初だとする光学式手ブレ補正を搭載する

オーディオについては、以前DACを載せようという話があったのですが、重さやコスト面から諦めていました。今回、Qualcommのチップ上にDACを作り込んであります。そしてチップの基板上の位置にもこだわり、ノイズが乗りにくい場所に配置しました。実はUSB Type-Cの採用に伴って、内部のノイズがものすごく少なくなるように改良したのですが、そこからさらにクオリティを高めています。アナログ変換後のアナログアンプについても新しく作り直しており、結果としてローノイズ・広帯域を実現。オーディオ協会よりハイレゾマークのお墨付きを頂きました(編注 : 24bit・192kHzまでサポート)。

ハイレゾ音源の再生は特に専用アプリではなく、標準のメディアプレーヤーで行えますし、本体にハイレゾ対応のヘッドフォンが付属しますので、まさに買ってすぐハイレゾをお楽しみいただけます。またメディアプレーヤーとして単体でお使いいただくことも考えて、内蔵スピーカーの音質もこだわっています。加えて、ビデオ撮影時の音源もハイレゾで撮影できるようになっていますが、これはスマートフォンで世界初だと思います。

対応イヤホンが同梱するため、スマホを買ってすぐにハイレゾを楽しめるのが嬉しい

――内蔵スピーカーからも、サイズからは想像できないくらい強い低音が響いてきたのには驚きました。ハイレゾ対応ヘッドフォンが付属するのはお買い得感が高いですね。

玉野社長 ヘッドフォンもそうですし、USB 3.0のクイックチャージ対応の充電器も付属しています。最近はコストダウンの影響で、端末を機種変更しても本体だけお渡ししておしまい、みたいなことが増えていますよね。ですがHTC 10では本体、ヘッドフォン、充電器などをきちんとパッケージに入れて、フルセットでの販売としました。トータルコストで見ると、今回のauの端末の中では際立ってコストパフォーマンスが高いのがお分かり頂けると思います。

内蔵スピーカーも優秀。特に低音に関しては驚くレベルだ

先のハイレゾ対応イヤホンに加え急速充電器も同梱