「BRIX」と言えばNUCと並ぶポジションのGIGABYTE製ミニPCベアボーンであるが、COMPUTEX TAIPEI 2016のGIGABYTEブースでは、これまでのコンセプトから少し方向性を変えたユニークなBRIXが2モデル展示されていた。

これがBRIX!? "あの据え置きゲーム機風デザイン"でGeForce GTX 970を搭載できる

「GB-XD7B0」は、「小さくて四角い箱」というBRIXのイメージを覆すサイズで、据え置きゲーム機で見かけたようなデザインの縦置きモデルだ。

BRIXとは思えないデザインだがBRIXの「GB-XD7B0」

筐体の容量は10Lくらいだが、これまでのBRIXよりもずっと大型で、普通のグラフィックスカードがそのまま搭載できる。展示機のGB-XD7B0にはGeForce GTX 970が搭載されており、これを十分に賄う電源も搭載されるという。そのほか、搭載するCPUは第6世代Core、メモリはDDR4 SODIMM、ストレージはM.2 SSD、ネットワークは有線側がKiller E2400、無線側がIntel製のIEEE802.11ac/Bluetoothカードを搭載している。

インターフェースは、USB 3.0および3.1 Type-A/C、映像出力はおそらく組み合わせるグラフィックスカードによって異なる可能性があるが、DisplayPort×3、HDMI×2(うち1基はマザーボードから)、DVI-I/DVI-Dとのこと。インターフェースは前後端の細まった部分にまとめられている。

インターフェースは端にまとめられており、スタイリッシュに置ける

きょう体の上部に近い部分はメッシュがむき出しとなっており、上部はカバーを猫耳風に開くことでエアフローを向上できる

ビル型BRIXはGeForce GTX 950を搭載して4画面出力。ストレージも最大4基

「GB-BNi7HG4-950」は、接地面積は従来のBRIXとさほど変わらないスクエア型だが、高さを一気に増やし、ビルのようなデザインになっている。エアフローは底面から吸気し、天板の周囲から排気される。そしてこの部分にはGeForce GTX 950が搭載される。

従来のBRIXを縦に延ばしたデザイン。天井のLED発光部付近に排気口がある

CPUは第6世代Coreで、型番からするとCore i7モデルのように見える。ストレージは2.5インチHDD/SSDが2基、M.2 SSDが2基と、いわゆるNUC型だったBRIXよりも充実。メモリはDDR4 SODIMMスロットが2基。IEEE802.11ac/Bluetoothカードも搭載している。

角の部分2カ所にインターフェースを搭載。USB 3.1 Type-Cや無線LANも備えている

インターフェースは2つのコーナーにまとめられており、ひとつはACアダプタ用ジャック、LAN、USB 3.0×3、USB 3.1 Type-A、USB 3.1 Type-C、無線LANアンテナおよびオーディオ入出力、もうひとつのコーナーにはMini DisplayPort×3とHDMI 2.0×1といったレイアウト。Mini DisplayPortとHDMI 2.0を全て利用することで4K解像度4面のマルチディスプレイも可能だ。

こちらは角ではなくフラットな部分にインターフェースを搭載

豊富なディスプレイ出力端子による4画面4K出力も可能

Thunderbolt 3によって外付けGPUボックスが今度こそ立ち上がる!?

先のBRIXをさらに縦長にしたようなこの製品はThunderbolt 3対応外付けGPUボックス。SilverStone製のシンプルだが優雅なデザインが特徴で、グラフィックスカードはブラケットを上にして内蔵される。

上部には取っ手もあり、多少なら持ち運びもできそうだ。カバーを外すと、グラフィックスカードのブラケットと、電源ユニットが確認できる。電源とグラフィックスカードから伸びるケーブルは、設けられた穴から後部に取り回しでき、正面はスッキリしている。

煙突型のThunderbolt 3対応外付けGPUボックス

Thunderbolt 3と言えば、先日リリースされたBRIXのハイエンドモデル「GB-BSi7HT-6500」がこれに対応する。ブースのデモはデスクトップPCを用いたものだったが、それではグラフィックスカードを普通に搭載できてしまうので、あまり効果がないが、GB-BSi7HT-6500なら(GB-BSi7HT-6500よりもよっぽど外付けGPUボックスのほうが大きいが……)、3D性能の向上という点ではメリットがありそうだ。

なお、デモ中にスタッフが上部前方にあるスイッチに触れ、外付けGPUボックスの電源が落ちてしまったが、再度電源オンとすれば自動認識され復帰していた。現時点でも安定性という点ではかなり仕上がっているように見える。

上部からインターフェースや電源ユニットの電源スイッチにアクセス可能

そのほか変わり種のPC&ベアボーン

GIGABYTEブースでは、BTO対応のディスプレイ一体型PCも展示されていた。これは「HKC」という欧米やアジア各国に向けてディスプレイやPCを展開している中国のメーカーが販売する「X320 plus」という製品だ。

HKCの液晶一体型(AIO)PC

背面カバー内部には電源やマザーボードなどPCパーツでお馴染みのパーツが並ぶ。マザーボードの左には2スロット厚まで対応するグラフィックスカード用のスペースが用意され、一方のマザーボードの端には確かにPCI Express x16スロットが見える。

液晶背面には見慣れたPCパーツ

マザーボードの端にはPCI Express x16スロットを搭載。電源から伸びるPCI Express用補助電源コネクタも

HKCの製品は、そこまで長さのあるグラフィックスカードを搭載できそうになかったが、もう1つ展示されていた一体型PCは、オリジナルクーラーの中でも最大クラスのサイズである「WINDFORCE 3X」を搭載したカードがディスプレイ裏の部分に搭載されていた。今後、こうしたハイパフォーマンス一体型(AIO)PCも増えてくるのだろうか。

もうひとつの一体型PCには3連ファンのハイエンドグラフィックスカードが……

ほか、動作デモはなかったが、5月31日のインテルの基調講演で明らかになったApollo LakeらしきCPUを搭載するBRIXも展示されていた。

明確なモデルナンバーが表記されておらず、おそらくApollo Lake世代のPentium、Celeronを搭載すると思われる