時計が普段から精確であること

スペシャルゲストとして、神戸市消防局特別高度救急隊、森本崇隊長も登壇。秒単位の判断と行動を要求される救急の現場で、時計がいかに必需品か、そして時計の精度がいかに重要かについて語った。

神戸市消防局 特別高度救助隊・特殊災害隊 森本崇隊長

森本隊長「救助活動中、隊員は時計を見ながら行動します。が、一分一秒を争う現場では、出動前に隊員の時計を合わせる時間はありません。ですから、時計を常に正確な時間に保つことは非常に大切なのです」

隊長は、救出の成功と同時に隊員の安全も確保しなければならない。したがって、作戦行動にも時間的余裕が必要なのだという。

森本隊長「本当は、数秒差で救出の成否が左右されたり、隊員の命が助かったというお話ができれば(トークとしては)いいのでしょうが、実際には、そんなギリギリの指示や立案をするようでは、隊長失格だと思いますね(笑)。そういったイレギュラーな状況を作り出さないためにも、隊員各自の時計が精確であることが大切なんです」

そして「やはり耐衝撃性ですね」と、森本隊長は続ける。

森本隊長「とにかく、行動中はあちこちぶつけます。それでもし時計が壊れてしまったら、大変なことになりますから」

ちなみに、カシオは神戸市消防局と公式にコラボレーションした『G-SHOCK RANGEMAN「GW-9400FBJ」神戸市消防局タイアップモデル』を2015年7月に発売している。コラボレーションのいきさつや神戸市消防局の活動については、別記事『特別なオレンジのG-SHOCK「神戸市消防局×RANGEMAN」 - タイアップモデルに込められたレスキュー隊のタフネス』をご参照いただきたい。

従来の電波時計に加え、GPSハイブリッド電波時計、そしてスマートフォンリンクというGlobal Time Syncテクノロジーで、世界中の人々に正確な時刻を提供するカシオ。そのアプローチにまつわる新展示は、まさに時の記念日に相応しい。ぜひ一度、樫尾俊雄発明記念館に足を運んでみてはいかがだろうか。なお、見学は無料だが、事前予約が必要なのでご注意を。

最後に、展示品の一部をご紹介しよう。

懐かしの多機能デジタル時計。ニーズより技術優先で製品化されたものが多いという印象

左手前はMP3プレイヤー付き時計「WMP-1」(2002年発売)。イヤホンのコードが腕に絡まる事案が続出

二層液晶+電話帳を搭載したデータバンク「ABX-55」。1995年発売

正確な時刻の追求に関するカシオ製品の歩み

従来の電波時計に加え、2014年以降、ハイブリッド電波ソーラー、スマートフォンリンクといった新技術でアプローチの幅が大きく広がった

それぞれの技術や潮流を象徴するモデルを数多く展示(実際の展示ではガラスケースに入れられる)

1995年、ドイツで発売されたカシオの電波時計1号機「FKT-100」(左)と、2001年に発売された電波ソーラー1号機「WVA-300」(右)

2004年発売、フルメタルケース採用電波ソーラーウオッチOCEANUSの1号機「OCW-500」

2005年発売の5モーター駆動OCEANUS「OCW-600」(左)と、日・米・欧5つの電波に対応した電波ソーラーのOCEANUS「OCW-M700」(右)

「構造・外装・表示の多様化」についての展示ボード

G-SHOCKのアナログ針搭載第1号「AW-500」。1989年(平成元年)発売

最初にクロスバンドを搭載した「DW-002」。1994年発売

最初にホワイトケースを採用したのはラバーズコレクション「Lover's LOV96」。1996年発売

最初にカーボンファイバーインサートバンドを採用したG-SHOCK「GW-S5600」。2010年発売

2色成形バンドを採用したBABY-G「BGR-201」。1998年発売

アウトドアスマートウオッチ「WSD-F10」も展示に加わった。個人的には右奥の「CASSIOPEIA(カシオペア)」が思い出深い