今年の「COMPUTEX TAIPEI 2016」では、主にPCメーカー・マザーボードメーカーでVR対応ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の展示が目を引いた。メーカー各社がブース内に専用の体験コーナーを設けるほどの注力ぶりで、Microsoftが基調講演で同社のHMD「HoloLens」のプラットフォームをパートナー向けに提供すると発表したこともあってか、VR体験コーナーは、場所により連日列を成すほどの賑わいぶり。主要メーカーのVR体験コーナーの様子をまとめた。

ASUS

ASUSでは、同社のゲーミングブランド「R.O.G.シリーズ」にて、Oculusの「Rift」を採用したVR体験コーナーを設置。シューティングゲームなど体全体を動かしてプレイするスペースを2カ所、座ってアクションゲームなどを専用コントローラで楽しむスペ―スを3カ所設けていた。

ASUSのVR展示の様子。使用されていたPCでは第6世代Intel Core i7プロセッサやNVIDIA GeForcce GTX 970/960、16GBメモリ、M.2 PCIe接続 M.2 SATA接続SSDなどが搭載されていた。左下の写真は「Rift」の動作を保証するOculus公認の「Oculus Ready PC」のひとつ、ROG G20

ASRock

マザーボードメーカーASRockでは、それほど大規模ではないものの、ブースの一画にVR体験コーナーを設置。同社製マザーボードZ97-MBを採用し、グラフィックスにNVIDIA GeForce GTX 970を搭載した構成のゲーミングベアボーン「M8」シリーズでHTC製のHMD「Vive」を動かし、ガンシューティングゲームなどをプレイできた。

ASRockのVR展示の様子。展示全体の規模からすると小さめだが、自由に体を動かせるVRスペースが用意されていた

CoolerMaster

CoolerMasterでは、ブースのメインとして、高所からパラシュートで飛び降りる映像をVRで体験できる展示を行っていた。ナムコが2016年4月にオープンしたVRエンターテインメント施設「VR ZONE Project i Can」と同じように、実際に体にハーネスを装着し、VR映像に合わせ体を宙に吊る演出で大盛況のコーナーとなっていた。

CoolerMasterのVR展示の様子。床が昇降し、VR映像に合わせてリアルなパラシュート体験を楽しめる。HMDはOculus「Rift」を採用。使用PCはCore i5-4600KやR9 390X、16GBメモリなどを搭載していた。ケースは同社製のMasterCase Maker 5

GIGABYTE

GIGABYTEでは、巨大なディスプレイを使ったVR展示や、NVIDIAと共同と思われるVR体験用の個別コーナーを設けていた。大型ディスプレイでは、椅子全体が映像に合わせて動くレーシングゲームを体験でき、個別ブースでは両手にコントローラを持ち、空に浮かぶ敵を撃つシューティングゲームが体験できた。

GIGABYTEのVR展示の様子。レーシングゲームではOculus「Rift」、シューティングゲームではHTC「Vive」を採用。シューティングゲームは長蛇の列で、1時間以上待つほどの人気ぶり。使用PCはいずれもグラフィックスにNVIDIA GeForce GTX 1080を採用していた

Predator

Acerのゲーミングブランド「Predator」では、GeForce GTX Titan X搭載のデスクトップPC「PREDATOR G1 DECEPTIVELY SMALL」と、GeForce GTX 9801ノートPC「Predator 17X WREAK HAVOC」の2機種で、それぞれでVR展示を行っていた。HMDはデスクトップPCでHTC「Vive」、ノートPCではRazerのHMD「OSVR」が採用されていた。

PredatorのVR展示の様子。MSIと同様に、"背負えるVR対応PC"をコンセプトにした「Gaming Backpack」が展示されていた(写真左上)。ただしこちらはケースがPCになっているものではなく、中に同社のゲーミングノートPC「Predator 17X」を、アクセサリのバックパックで背負うという"コンセプトモデル"的な位置付けだという

MSI

MSIでは、注目のバックパック型PCのほか、GeForce GTX 1080を搭載したデスクトップPCを数台用意し、ブース内の4~5カ所でVR展示していた。コンテンツはゲームだけでなく、未来都市を空中に浮かびながら移動する、といった映像のみでVRの世界を体験できるものもあった。

MSIのVR展示の様子。ゲームではなく、空中を移動するという、映像コンテンツのみのVR体験も用意されていたが(写真右上、左下)、それだけでも実際に空を飛んでいるような感覚に陥るのが面白い。使用PCは「Z170A GAMING M9 ACK」で、Core i7-6700KやGeForce GTX 1080などを採用している