6つのコミュニケーションデバイス

  • SNS新聞

「SNS新聞」は、ソーシャルメディアの情報を新聞に仕立てたもの。Facebook、Twitter、InstagramなどSNSで過去に投稿したコンテンツデータを取得して、新聞のようなレイアウトにデザインする。データはクラウドサーバーを経由して、遠隔地にある郵便ポスト内に収納されたプリンターで印刷される仕掛け。大阪の清村家のiPadからデータを送信すれば、自動的に多良間島のおばあの家のポスト内に投函される。

「SNS新聞」のデモの様子。ソーシャルメディアの種類、取得するデータの期間を選択すると、自動的に新聞にデザインされ、ポスト内に投函される

  • スマート黒電話

「スマート黒電話」は、旧式の黒電話に電子回路を内蔵させたもの。昔ながらにダイヤルを回して電話をかけると、先方のiPhoneとビデオチャットが繋がる。スマート黒電話側のモニターにはテレビを、カメラにはテレビの下に設置されたWebカメラを使っている。

旧式の黒電話とiPhoneの間でビデオチャットが繋がる「スマート黒電話」。これならシニアの方にも簡単に使えそうだ

  • クラウドVHS

「クラウドVHS」では、まずiPhoneで撮影した動画を専用サーバーにアップロードする。複数の動画データは1本の映像として結合される。大阪の清村家で行う作業は、ここまで。

「クラウドVHS」のデモ。iPhoneで撮影した動画を専用サーバーにアップロードする。複数の動画データは1本の映像として結合される

すると、多良間島のおばあの家に設置されたプリンターからは、自動的にQRコードが印刷されたシールが出力される。これをVHSテープに貼り付けて、専用のデッキに挿入すると、QRコードで指定されたクラウド上の映像がモニターに再生されるというからくりだ。

QRコードが印刷されたシールをVHSテープに貼り付けて、専用のデッキに挿入すると、指定されたクラウド上の映像がモニターに再生される

  • リモート身長柱

「リモート身長柱」は、専用アプリで測定した身長のデータがクラウドに送られ、遠隔地にある専用装置が自動的に柱に傷を刻みこむというもの。

専用アプリで身長を測定すると、遠隔地にある専用装置が柱に傷を刻みこむ

  • 掛け軸メール

「掛け軸メール」では、専用アプリでメッセージを書いて送信すると、遠隔地にある掛け軸の裏に設置された装置が働き、送られたメッセージが感熱紙の上に印字される。

「掛け軸メール」では、専用アプリでメッセージを書いて送信すると、遠隔地にある掛け軸にメッセージが印字される

  • 影遊びオンライン

「影遊びオンライン」は、iPhoneで撮影した影絵をリアルタイムで遠隔地の壁に投影するもの。これにより、離れていても同じ瞬間に影絵で遊ぶことができる。

「影遊びオンライン」は、iPhoneで撮影した影絵をリアルタイムで遠隔地の壁に投影するもの。離れていても同じ瞬間に影絵で遊ぶことができる

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スマホやクラウドといったIT技術を使えば、時代の潮流から取り残されたように見える地域や、そこに暮らす人たちにも幸せが運べるかもしれない。Webムービーを見ながら、そんなことを考えていた。孫正義ソフトバンクグループ代表は、常々“情報革命で人々を幸せにしたい”と発言しているが、その想いを具現化すると、こんな取り組みになるのかもしれない。現場スタッフは「これをきっかけに、スマートフォンをはじめとするIT技術を身近な存在として感じていただければ嬉しいですね」と話していた。

すべての人々にスマホの素晴らしさを伝えることを目指した、今回のソフトバンクの取り組み。ドキュメントムービー「Personal Innovation Act "Analog Innovation"」は、YouTubeなどの専用サイトで公開中だ。