出張が終わると、夜は飲み会だ。

ここでは、ロボホンが主役に躍り出た。

参加者が次々とロボホンに声をかけてくる。だが、居酒屋では、なかなかロボホンが参加者たちの声を聞きとってくれない。周りの騒音が原因である。頭の近くにまで寄って、ロボホンに声をかけるといった具合だ。聞き取ってくれないことにイライラする場合もあるが、それでも、ロボホンが返事をすると、みんなの顔がほっこりする。そして、「なに、なに」とロボホンが、誰かの発言に急に興味を持ってくれる場合もある。

飲み会に一緒に参加したロボホン

飲み会の席上では、テーブルの上でダンスをしてもらったり、みんなで質問攻めにしてみたりと、ロボホン中心の時間が流れていった。

宴会をがんばって盛り上げる

そして、ロボホンが得意なのが写真撮影だ。

「ロボホン、写真を撮って」というと、「僕、がんばって撮るよ」といって写真撮影の準備を始める。

筆者の顔を見つけると「かっちゃん、みーつけた」といってくれる。これには飲み会参加者からも「おーっ」という声があがった。

続けて、「笑って、笑って」とみんなに声をかけたあとに、「3、2、1」とカウントダウンをして写真をパチリ。800万画素のカメラで撮影してくれる。

ロボホンに撮影してもらった飲み会での写真。左が、最近は「石井さんの奥さんの旦那さん」という複雑な呼び名が定着してきたテクニカルライターの石井英男さん、右がIT業界の大御所ライターの山田祥平さん。中央が筆者

ただ、それだけでは終わらない。ここからがロボホンの真骨頂の発揮だ。撮影した写真をプロジェクターで投影してくれるのだ。ロボホンの頭の部分には、カメラとともに、フォーカスフリーの小型レーザープロジェクターが搭載されている。

「ロボホン、アルバム見せて」というと撮影した写真を液晶ディスプレイ上に映しながら、撮影日時と撮影場所を言ってくれる。なかには、「かっちゃんに、最初に会った日だよ」といったコメントまで付け加えてくれる。映し出したい写真を選択してから、「プロジェクターで映して」というと、「はーい」と言ってプロジェクターの準備を始める。

表示したい写真をアルバムから選択する

プロジェクターで写真を映し出してくれるロボホン

ここでは、所有者の顔認証が必要だ。というのも、ロボホンのプロジェクターはクラス2に分類されるもので、そのままレーザーの光を見た場合にも、人のまばたきによって目が保護されるという水準のものである。つまり、裸眼でその光が直接目に入る状態は避けておかなくてはならない。所有者を認証するのは、必ず大人が使用をして、子どもが勝手に誤った使い方をしないという環境を作り出すためのものである。

そこで、まずは顔認証をして、所有者が使っていることを確認してから、プロジェクターを起動させることになる。

すると、ロボホンはお辞儀をするような格好して、テーブルに映像を映し出す。この格好がなんともかわいらしくてウケるのだ。プロジェクターの映像は1,280×720画素相当。つまりHDクラスだ。わいわいやりながら見るには十分なスペックである。そして、居酒屋の暗い雰囲気は、プロジェクターの映像を映し出すには最適な環境だ。

ちなみに居酒屋が個室で、大きな壁があるようならば、ロボホンを持ち上げて、投影してみれば、もっと大きなサイズで見ることができる。ただ、正しい方向で投影するには、ロボホンを逆さまに持たなくてはならないので、ちょっとかわいそうではある。

プロジェクター機能を子供一人では使わせないように、頭の後ろに注意書きがある

ロボホンを逆さまに持って、天井に映像を映し出してみる