ドコモが期待するスマートライフ領域

そんなドコモが期待するのは、スマートライフ領域だ。2015年度決算では、営業収益が前年度比14%増の8,634億円、営業利益は同24.7倍の742億円だった。規模感は通信事業と比べると小粒だが、営業利益の増加額だけに焦点をあてれば、通信事業とほぼ同額の700億円となっており、同領域への期待は大きい。

では、スマートライフ領域とは何か。大きくはコンテンツサービス、金融・決済サービス、グループ会社の事業を包含する「スマートライフ事業」と「その他の事業」(M2Mなどの法人ソリューション、携帯保証サービスのあんしん系サポート等)に分かれる。トピックとしては、動きが盛んなスマートライフ事業が注目されるところだ。

コンテンツサービスは、映画、音楽、アニメなどが月額定額で楽しめるdTV、dヒッツ、dアニメストアなどのサービスを展開する「dマーケット」が該当する。

dマーケットの契約数は、右肩上がりで増加しており、2015年度第4四半期末で1554万契約、前年同期が1188万契約であり、30.8%増加した。1人あたりの月額利用料も増加しており、2015年度第4四半期は1370円と前年同期比で約20%の増加となっている。

金融・決済サービスでは、昨年リニューアルしたドコモのクレジットカード「dカード」、そして、ポイントプログラムの「dポイント」が該当する。

グループ会社には、フィットネスマシーンのワンダーコアを販売するショップジャパン、ABC Cooking Studioなどのグループ企業が好調。このほか、外部企業とともにサービスの展開を図る「+d」の取り組みも順調だ。

外部企業とともにサービス展開を図る「+d」の取り組みは4月21日現在で53件に達したという