PCは4K出力可能か? ダメな場合はどうやって追加する?
使っているPCで4K出力できるかどうかだが、メーカー製PCの場合はスペック表を見れば確認できるだろう。自作PCの場合はというと、EIZOの「4K対応製品グラフィックスボードの互換性情報」というWebページに詳しくまとめられている。また、エルサジャパンのWebページも参考になる。
Intel CPU内蔵のグラフィックス機能は、「Intel HD Graphics 4200」以降で4K出力に対応する。これを満たすのは、第4世代Intel Coreプロセッサ(開発コードネーム:Haswell)以降だが、同じHawell世代でもCeleronやPentiumの内蔵グラフィックスは該当しない。詳細は「インテル製品の仕様情報(Intel ARK)」で確認しよう。CPUの型番で検索し、「グラフィックスの仕様」-「4Kサポート」を見ればわかる。
EIZOのサイトによると、NVIDIA GeForceは「GeForce GTX 650」以降、AMD Radeonは「Radeon HD 7700」以降または「Radeon R7」以降にて、4K出力をサポートしている。NVIDIAのサイトで仕様を確認すると、「GeForce GTX 630」以降で4K対応だ、AMDのAPU内蔵グラフィックスでいうと、Richland世代以降のAシリーズが当てはまる(一部の下位グレードを除く)。今現在、CPU内蔵グラフィックスを使っていて、もし4K出力に対応していないなら、GeForce GTX 630以降かRadeon R7以降のグラフィックスカードを増設すればよい。
グラフィックスカードを増設できないPC、特にノートPCの場合は、4K出力に対応したUSB接続のグラフィックスアダプタという手がある。ただし、動画や3Dアクセラレーションに関しては期待できず、4K/30p出力なので(4K/60p出力には対応しない)、高解像度が必要となる静止画の編集や、大きなExcelシートの作業用と考えよう。
4K/60p表示を実現するには?
4K/60p表示を行うには、PC側とディスプレイ側、両方の対応が必要だ。PC側では、上述のCPU内蔵グラフィックス、およびディスクリートGPUのグラフィックスカードなら、仕様上はDisplayPort 1.2以降で4K/60p出力に対応する。ディスプレイ側は、スペック表などで4K/60pに対応しているかどうかを確認してほしい。
DisplayPortでちょっとややこしいのは、SST(Single Stream Transport)とMST(Multi-Stream Transport)だ。SSTは1つの信号ストリームで4K/60pを伝送するが、MSTは2つの信号ストリームを使う。具体的には、(1,920×2,016ドット)×(1,920×2,016ドット)の信号を、GPUドライバとディスプレイ側で4K/60pにして表示する。
少し前はMSTで不具合が生じるケースが一部あったが、現在はPC側のグラフィックス環境もディスプレイ側も、SST対応が進んでいる。現行モデルの4Kディスプレイなら、SST対応と思ってよいだろう。ディスプレイ側がSSTかMSTかは、製品のスペック表を見ても書いていないことが多いのは困りものなので、ディスプレイのベンダーには一考してほしいものだ。確認と情報収集のうえ、SSTに対応した4Kディスプレイの購入をおすすめする。
また、HDMI 2.0で環境構築するとしたら、4KテレビにPCをつなぐケースが挙げられるだろう。4KテレビがHDMI 2.0 LEVEL A入力を持っていれば、PC側にもHDMI 2.0 LEVEL A出力があればよい。第6世代Intel Coreプロセッサ(開発コードネーム:Skylake)の内蔵グラフィックスや、NVIDIA GeForce 9xx世代のグラフィックスカードは、HDMI 2.0 LEVEL A出力に対応できる。Skylakeの場合はCPU型番とマザーボードに依存、GeForceグラフィックスカードは搭載する映像出力端子に依存するので(いずれもHDMI 2.0 LEVEL A出力を持つかどうか)、こちらも確認のうえ買いそろえてほしい。AMD Radeonグラフィックスカードは、R9世代でもHDMI 1.4aとなる点に注意だ。