今年は最大10連休になるゴールデンウィークはすぐそこ。テロへの警戒や熊本地震の影響など懸念はあるが、高い観光需要が見込めるだろう。国内のインバウンド需要も引き続き旺盛だ。そんな中観光業界が期待を寄せているのが、“ポスト世界遺産”。そして日本が観光戦略の目玉の一つとして進める“日本遺産”だ。
いつか世界遺産になる前に
毎年ゴールデンウィークの頃になると、世界遺産の登録に向けたニュースが盛り上がる。昨年の「明治日本の産業革命遺産」についてはゴールデンウィークど真ん中の5月4日、おととしの「富岡製糸場と絹産業遺産群」は4月26日に、ユネスコの諮問機関イコモスから登録にふさわしいと勧告が出た。ちなみに今年は、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が申請を取り下げたので、日本政府の推薦案件はない。
イコモスの記載勧告が拒否された例はほとんどない。記載勧告が出れば地元は一斉に盛り上がり、次の休日には、新しもの好きの観光客が押し寄せる人気観光スポットのできあがりだ。「ゴールデンウィークだし、せっかくだから」と行ってみたら、人があふれ、行列に疲れてしまったなんてよくある話だ。
そんな世界遺産が好きな人にいい情報なのは、大手旅行業のエイチ・アイ・エスがおこなった旅のトレンド調査だ。「いつか世界遺産になる前に!行ってみたい世界の絶景」と銘うったこのキャンペーンは、世界遺産ではないものの、今後世界遺産になりそうな“ポスト世界遺産”の絶景のランキングを決めるもの。H.I.S.が、世界遺産級のスポット18ヶ所を事前に選定し、SNSのフォロワーを対象に行ってみたいと思う絶景を選んでランキングにしている。載っているところに行けば世界遺産“級”の絶景を観光客が増える前に、お目にかかれるというのが売りなのだ。
1位は世界で一番美しい海岸道路といわれているオーストラリアのグレートオーシャンロードだ。メルボルンの南西およそ100キロメートルにあるトーキーという町からアランスフォードまでの海岸沿いの道で、およそ260キロ。道中には複雑に入り組んだ断崖絶壁、何万年もの前からの侵食によって、奇妙な形に削られた岩が点在していて、中でも「十二使徒」といわれる岩は有名だ。過去には自動車メーカーのCMなどに使用されるほどの絶景。今回のランキング1位を記念して、ドライブとヘリで空からの遊覧もできるプランを発売している。
2位はアイスランドのセリャラントスフォスという滝。滝の裏側もみることができ、時期によって様々な顔を持った神秘的な光景が見られる。タイミングがよければ、オーロラとのコラボも見られるという。
3位はドイツのハイデルベルグ城。ドイツで最も美しい古都のひとつであるハイデルベルクにあり、城からは美しい町並みを眺めることができる。
世界遺産でないけれども、世界遺産“級”の場所は、日本国内だとどんなところがあるだろうか。