「カメラはスマホで十分」とよく聞く。大きな理由は、なんといっても写真を撮る主な目的(SNSへの投稿や友達との共有)に対して圧倒的に便利だからだ。つまり、画像の共有をもっと便利に行えるのであれば、画質を大きく左右するセンサーとレンズが大きく、光学ズームが使えて、手ブレ補正がしっかりと効くデジタルカメラで撮るほうがいい。そこで断然注目したいのが、カシオのコンパクトカメラ「EXILIM EX-ZR1700」(以下、ZR1700)なのだ。

センサーは1,610万画素の1/2.3型CMOS(裏面照射型)。レンズ倍率は光学18倍。本体サイズはW108.3×H61.5×D33.6mm

撮影した写真が、自動的にスマホへ送られる!

ZR1700に注目すべき最大の理由は、撮影した写真をスマホへ自動送信できる「エクシリム オートトランスファー」を搭載しているから(Bluetooth Smart対応のスマートフォンが必要)。スマホに無料アプリ「EXILIM CONNECT」をインストールして、最初にZR1700とBluetoothのペアリングさえしてあげれば、あとはただ「写すだけ」。ZR1700で撮影した写真を、自動的にスマホへ送るように設定できる。カメラやスマホの電源を切っても大丈夫。次回使用時に再度ペアリングする必要はない。

【左】Wi-Fiボタンを押すと表示されるカメラ側のEXILIM CONNECT画面。中心のアイコンがピンク色になっていることから、スマホとペアリングされていることがわかる 【右】カメラとペアリングした状態のEXILIM CONNECTアプリ画面

撮るそばからスマホに自動的に送信されていくよう設定が可能

撮影した写真を自動送信にせず、スマホからカメラ内の写真を選んで送信することも

送信された写真は「EXILIM CONNECT」フォルダに格納される

あとはスマホ撮影と同様に、InstagramやTwitterなどのSNSに投稿するだけ!

これにより、冒頭にも書いたデジタルカメラならではメリットを享受しながら、「カメラで撮って、スマホで選んで投稿」という、スマホでの撮影とほぼ変わらない操作性が実現するのだ。画像の位置情報を埋め込むかどうかも選択できる。スマホへの転送時、写真の縮小サイズを3M(メガ)に設定できるので、スマホ撮影時は少々煩わしい「画像縮小アプリで縮小してから投稿する」という手間も省けるのだ。

画像をスマホに送信する際、3M(メガ)サイズに自動縮小して転送するよう設定できる。もちろん、そのままのサイズで送信も可能

(スマホのGPSが取得した)位置情報を自動的に付加するよう設定も可能

えっ、面倒だからいつも撮ったサイズのまま投稿している、ですって? それは損をしているかも。投稿に時間がかかったり、スマホの契約形態によっては転送データ量の上限に達してしまったりと、いいことがないので、縮小して投稿するほうがいいのである(高解像度の写真をそのまま投稿したいといった明確な目的がある場合を除いて)。むしろそんな人にこそ、ZR1700をおすすめしたい。

さて、実はここからが本題。エクシリム オートトランスファーは、従来モデルの「EX-ZR3000」や「EX-ZR1600」などにも搭載されているが、ZR1700ではバージョンアップされ、いくつかの新機能が加わっている。

ひとつは自動転送のフィルタリング。撮影した画像の中でも、撮影時に顔認識されたものを含む画像だけをスマホに送るよう設定できる。いわゆるセルフィー(自分撮り)愛好家や、友達と一緒に写した写真をどんどん共有したい派に嬉しい機能だ。

ZR1700では、自動送信時のフィルタリングが可能になった

余談だが、ZR1700のチルト液晶モニターは、液晶画面をカメラ正面まで向けられる(レンズの向きと同じ)。こうすることで、自分撮りや仲間撮りのときに液晶モニターで構図を確認できるのだ。さらに、カメラ前面にもシャッターボタン(フロントシャッター)があり、画面上のマークに手をかざすとセルフタイマーが作動する「モーションシャッター」機能も備え、そもそもセルフィーとは非常に相性がいい。

モニターが正面まで持ち上がるので、セルフィーでも人物を画面に収めやすい

正面側下部(レンズとグリップの間)にもシャッターボタンがある。これも便利

さらに、写真の共有が飛躍的に簡単になった。前述の通りもともと簡単なのだが、それはLINEやTwitter、FacebookなどのSNSでつながっていたり、メールアドレスを知っている人宛て送ったりする場合の話。ZR1700では、なんと、それらを知らない人にも写真を送ることができるのだ。