日本マイクロソフトは、Windows 10およびXbox One用ゲームタイトル「Quantum Break」を4月7日にリリースする。これに先駆けて、4月4日、Windows 10のゲームプラットフォームにおけるファーストパーティーとしての取り組みを説明した。

Windows 10のゲームラインナップを大きく拡大

Xbox OneやPlayStation 4に代表されるゲーム機ではなく、PCゲームを楽しんでいるユーザー層は存在する。OSとしてWindows 10を使うユーザーも増加し、2016年3月の「Steamハードウェア&ソフトウェア調査」でも、64ビット版Windows 10のシェアは36.97%と64ビット版Windows 7の32.99%を上回り、加速傾向にあるのは明らかだ。

日本マイクロソフトの井上正之氏

Windows 10もリリース当初からPCゲームに関する機能として、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションの「Xbox」や、「Win」+「G」キーで起動する「ゲームバー」を盛り込んでいる。だが、PCゲームプラットフォームとして存在感がいまひとつなのも確かだ。

日本マイクロソフト Xboxマーケティング戦略本部 井上正之氏は、今回の説明会で「OSとデバイスに続いて、サービスとコンテンツの取り組みを推進させる」と述べた。2016年春から、Windows 10におけるPCゲーム分野のサービス&コンテンツ強化を明らかにした。その代表的な取り組みとして、Windows 10向けに以下のタイトルを今後リリースする。

日本のアニメーションにインスパイアされたというビジュアルが特徴的な2Dアクションゲーム「Ori and the Blind Forest: Definitive Edition」は、2015年3月にリリースされたタイトルだが、新コンテンツを追加したWindows 10版をリリースする予定だ。Xbox One版とWindows 10版による対戦プレイを楽しめる「Killer Instinct: Season 3」は、基本無料のスタイルで世界各地のプレイヤーと対戦できる。

【左】Microsoft Studiosによる「Ori and the Blind Forest: Definitive Edition」 【右】Iron Galaxyによる「Killer Instinct: Season 3」

既に発表済みだが、「Minecraft: Windows 10 Edition」のOculus VR「Rift」対応版については、WindowsストアとOculusストアでアップデートを配信する予定だが、時期や詳細はワールドワイドで今後の発表となる。シリーズ初のWindows 10版をリリースする「Forza Motorsport 6: Apex」は、DirectX 12により4Kへ対応し、基本プレイは無料となる。

そして4月7日にリリース予定の「Quantum Break」は、「The Max Payne」シリーズでお馴染みのRemedy Entertainmentが手がけるアクションゲームだ。その他にもサードパーティー各社から「BIOHAZARD UMBRELLA CORPS」や「DARK SOULS III」「三國志13」など多くのPCゲームタイトルがリリースされる。

【左】MicrosoftとMojangによる「Minecraft: Windows 10 Edition」 【右】Microsoft StudiosとTurn 10 Studiosによる「Forza Motorsport 6: Apex」

Remedy Entertainmentによる「Quantum Break」

Microsoft/日本マイクロソフトがPCゲームに強くコミットする理由は、Microsoft Head of XboxのPhil Spencer氏が以前のイベントで発言した「Better for Gamers」が大きい。井上氏も自社の取り組みとして、「DirectX 12と4Kによるゲーム体験は、ユーザーが楽しみたいデバイスを選べるように、Windows 10版とXbox One版の同時リリースをファーストパーティーとして注力する」と説明した。

日本マイクロソフトはWindows 10のPCゲーム環境を強化するための取り組みを強くアピール

意地が悪い言い方をすると、残念ながらXbox Oneは日本国内で盛り上がりを見せているとは言い難い。スマートフォンで楽しむカジュアルゲームの台頭で、コンソールゲーム市場自体が縮小しているという分析もあるものの、Xbox OneやPCゲームは、欧米では根強い人気を持つ。Microsoft/日本マイクロソフトが目指す方向性について筆者が質問すると、「ユーザーが望むゲームをデバイスの垣根を越えて提供するのが我々の目標。1つのプラットフォームを立ち上げるには時間がかかるが、デバイスの進化に伴って3年5年10年と育んでいく。そのために我々はファーストパーティーとして積極的に取り組まなければいけない」(井上氏)とのことだった。

既に日本マイクロソフトはWindows 10版「Rise of the Tomb Raider」をリリースしているが、今回の「Quantum Break」はWindows 10版とXbox One版を同時にリリースする初タイトルとなる。

【左】Windows 10上で動作する「Quantum Break」。時間をコントロールするゲームアクションは4月7日からXbox One版と同時リリースする 【右】シナリオ分岐でゲームの展開が変わるという。DirectX 12で4K画像、60fpsに対応する

【左】実写映像を交えたストーリー展開が魅力の1つ。海外ドラマを視聴しているようだ 【右】GameDVRで映像を保存し、動画共有サイトなどにアップロードできる。ただし、動画録画機能は1080pまでで4Kには対応していない

昨日開催した開発者向けカンファレンス「Build 2016」でSpencer氏は、ユーザーが作成したMODやオーバーレイ表示機能をUWPアプリケーションでサポートすると発表している。ご自身もXbox Oneを2台とゲーム用PC、Surfaceを所有し、お子さんにテレビを占領されているという井上氏は、PCでプレイしていたゲームをお子さんの面倒を見る際はSurfaceに切り替えて、プレイを続行するしているそうだ。

このように場所を選ばず、ユーザーが望むようにPCゲームを楽しむシナリオを実践できる世界をMicrosoftは目指しているのだろう。Xbox One/Windows 10版タイトル同時リリースによって、Windows 10というゲームプラットフォームは大きく進化する可能性を見せつつも、まずは第一歩を踏み出したに過ぎない。1人のPCゲーマーとして、Microsoft/日本マイクロソフトの展開に注目したい。

「Quantum Break」向け推奨PCを各PCベンダーが発売する(以下、順不同)

ASUS Japan「ROG G20CB」

日本エイサー「Predator G6」

インバースネット「FRGRH170」

ドスパラ「GALLERIA」

ユニットコム「Lev-R017-i7-XM」

マウスコンピューター「NEXTGEAR」

Project White(ツクモ)「G-GEAR」

サイコム「G-Master Hydro」

レノボ・ジャパン「Ideacentre」
(参考展示)

デル「ALIENWARE Area-51」
(参考展示)

阿久津良和(Cactus)