米Microsoftは3月30日(現地時間)、同社の開発者カンファレンス「Build 2016」(3月30日~4月1日)において、Windows 10の大型アップデート「Windows 10 Anniversary Update」を発表した。名前が示すように、昨年7月末のWindows 10登場から1周年のアニバーサリー・アップデートであり、無料アップデートとして、今年の夏にリリースされる予定だ。
Anniversary Updateの詳細は今後、BuildのセッションやWindows Insiderプログラムを通じて明らかになっていく。Buildの基調講演では、Windows Helloとインクの新機能のデモが行われた。
Anniversary Update では、Windows Helloのバイオメトリクス認証を用いたセキュリティ機能がMicrosoft Edgeやアプリに拡大する。デバイスへのログインだけではなく、対応するWebサイトやサービスへのログインにも指紋認証などが使えるようになり、基調講演ではBrian Roper氏(製品マネージャー:Windows and Devicesグループ)がEdgeを使ってUSAA(United Services Automobile Association)のサイトに指紋認証でログインするデモを披露した。
また、インク機能の手書き体験が向上し、ポストイットにメモしたり、ホワイトボードにアイディアを描くように手軽に、そしてより便利にWindows 10デバイスで手書きを活用できるという。
インクの利用を手軽にするのが「Ink Workspace」というインク用のパネルである。デジタルペンを一押しするだけで呼び出せ、インクに対応したアプリや最近インクで使用したアプリなどに素早くアクセスできる。また、Windows 10の機能、マップやMicrosoft Edge、Office 2016といったMicrosoftのアプリにインクが深く統合され、たとえばマップではペンを使って目的地まで線を引くと自動的に距離が計算される。スティッキーノートに「Call my mom tomorrow」というようにペンでメモすると、手書きの”tomorrow”を読み取ったCortanaがリマインダーの作成をアシストしてくれる。サードパーティもアプリにわずかなコードを追加するだけでインクをサポートできるので、手書きの利用が大きく広がりそうだ。
Cortanaが、ランチの店選びやプレゼントのおすすめなど、より賢くプロアクティブな提案を行うようになる。またユーザーが設定すれば、デバイスをロックした状態でも音楽の再生といった一般的なアシストをCortanaに頼めるようになる。Cortanaに対応したアプリはすでに1,000個近くに増えており、MicrosoftはWindows StoreにCortanaコレクションを設けた。