NECは3月17日、早稲田大学の学内データを活用した分析を行う大学IR(Institutional Research)システムを構築し、運用を開始したと発表した。

大学IRシステムは、大学の経営改革や意思決定の促進、教育の質向上のために、学内データを収集・分析するシステム。

早稲田大学は、NECがSASの分析ツールである「SAS Visual Analytics」を活用して構築した大学IRシステムに教学、財務、人事など各種システムの情報を統合した既設のデータウェアハウスからデータを取り込む。

これにより、従来の経験や知識に加え、データの見える化や、解決したい課題に対し相関分析・決定木分析(特定の事項に対する観察結果からその事項の目標値に関する結論を導く、樹木状のモデルを用いた分析手法)・予測型モデリングといった統計的手法を用いた高度な分析、施策の検討が可能になるという。

同システムの導入により、教職員が容易にデータの活用・分析を行う環境を強化するほか、得られた分析結果を分かり易いレポートにしたうえで迅速に共有することで、教育の質の向上や経営に関する意思決定のスピード化につなげていく。

今回、同大はNECの支援により、同システムを用いて学生授業アンケートの回答データを分析し、授業改善を検討するためのレポートとして視覚化している。

また、同大は同システムの運用開始にあたり、2016年4月から経営上の課題をデータ活用で解決支援するNECのコンサルティングサービス「ビッグデータ・ディスカバリー・プログラム」を活用し、「Waseda Vision 150」の実現に向けた課題の抽出・整理、およびその課題解決に向けたデータ活用シナリオの検討を行う方針だ。

同大は今後、このデータ活用シナリオに基づき、既設のデータウェアハウスに収集・蓄積したデータを分析・活用し、課題解決を目指す。