iPhoneやAndroidデバイスのアクセサリ販売を中心に事業を展開するトリニティは、「NuAns NEO」というWindows 10 Mobile搭載スマートフォンを開発した。2016年1月末から順次販売している。今回は同社から1カ月間借用して試用する機会を得たので、その様子をレビューしていきたい。
曲面加工で持ちやすさを実現したNuAns NEO
日本マイクロソフトが、参画ベンダーを発表した2015年10月からまもなく半年。既に多くのWindows 10 Mobile搭載デバイスが世に登場した。だが、当初から注目を集めていたのが今回扱うトリニティの「NuAns NEO」だった。スペックが明らかになっていたほかのWindows 10 Mobile搭載デバイスがSnapdragon 210を採用するなか、NuAns NEOはSnapdragon 618を搭載。当時Microsoftおよび日本マイクロソフトも認めていなかったContinuum for Phoneに暫定対応とアナウンスしていた(もちろん現在は正式対応済み)。
発表当時からほかのWindows 10 Mobile搭載デバイスと異なり、2色のケースを組み合わせて自分好みのデバイスに仕立て上げられるなど、良い意味で"手作り感"に溢れている印象があった。他方で前述したCPUのチョイスやUSB Type-Cの採用など、これまで我々が見てきたWindows 10 Mobileデバイスとは異なるコンセプトを多数取り込み、ガジェット好きはもちろん、それ以外の方面からも注目を集めていた。この点についてトリニティは「使う人にとっての心地よさを追求する」と説明し、起きた瞬間から眠りに就くまで身に着けるスマートフォンと定義している。
NuAns NEOを手にして最初に「おっ」と思うのは、そのデザインだ。丸みを帯びた本体はそのままで握りやすく、手にフィットする。一般的なスマートフォンは四方が角張り、iPhoneでも曲面はわずかだ。だが、NuAns NEOは液晶画面のガラスにまでカーブ加工を施して、全体に丸みを持たせることにこだわっている。
握りやすさの演出を担うのはカバーに依るところも大きい。NuAns NEOは上下で異なる「TWOTONE(ツートーン)カバー」を用意しているが、ここでもあらかじめ丸みを帯びた加工を施して、一体感を演出している。また、好みに応じてツートーンカバーを取り替えられるのも、NuAns NEOが持つ大きな特徴だ。素材や配色が異なるものを組み合わせることで、個性的なスマートフォンに様変わりする。
TWOTONEカバー自体にもカーブ加工が施されている。今回は「Smooth White」「Natural Wood」という組み合わせで借用したが、手触りも心地よい。なお、その組み合わせは72パターンにも及ぶ |
スマートフォンユーザーは筆者も含めてカバーやケースを装着して使うことが多い。その理由のひとつとして交通系ICカードの利用が挙げられる。一昔前の携帯電話はモバイルSuicaや電子マネーを使えるタイプが多かったが、スマートフォン時代になってからは対応機種も限られてしまった。そのため筆者もSuicaを格納するためにフリップ型のケースをiPhone 6に着用させている。
だが、NuAns NEOならばそのようなケースは必要ない。カバーを外すとカードを1枚格納できる空間を設けているため、そこにICカードを入れてしまえば"おサイフケータイ"として使用できる。NuAns NEOはNFCに対応しているため、交通系ICカードの使用履歴を読み取ることも可能だ。唯一困るのはICカードをチャージしなければならない場面だが、オートチャージ機能を持つICカードも存在するので、そちらを使えば気にならないだろう。
便利だったアプリはnobukuma氏の「Kumalica」。NFCに対応したNuAns NEOなら格納した交通系ICカードの情報を読み取り、CSV形式でOneDriveなどに保存できるため、交通費精算にも使える |
液晶ディスプレイは時流に合わせて5インチを採用しているため、一般的なスマートフォンと同じく洋服のポケットに入れられる。前述したように、ICカードを直接収納できるため、フリップ型ケースを着けたiPhone 6よりも携帯しやすかった。