変革に備えるために学び続ける

今後、ほとんどの業種で人工知能が関わってくるのは、もう避けられない。人工知能に仕事を奪われる可能性を前提に、ビジネスマンはどのように備えればいいのだろうか。スラン氏は新しい時代に備えるにあたり、教育の重要性について指摘する。ビジネスマンも、人工知能の登場に備えて、新たなテクノロジーか、あらたな職種について学ばねばならないというわけだ。スラン氏自身、Udacityにおいて、社会人への教育に力を入れている。

Udacityウェブサイト

「教育というのは、人生のある一時受けるものだという考えをやめなければなりません。生涯教育です。人生のお供であり、一生やり続けるものです」。耳の痛いことだが、新たな時代に向けて学ぶ意欲がなければ、適応していけないという指摘は確かだろう。

Udacityでは特にシリコンバレーで必要とされる職種に必要とされる、カリキュラムを無料で受講できる仕組みを用意しているが、これはすべての人が受けられる内容ではない。どんな職種であれ、自分自身のレベルを客観的に判断し、冷静に自分が学ぶべき内容を把握することが大切だ。

Udacityのカリキュラムの一部。コンピュータプログラムに関する講座が多い

「時々辛いと思うのは、労働者の多くが、新しいことを何も学びたくないということです。学ぶということが素晴らしいということを、そうした人たちに伝えたいですね」とスラン氏が語るように、現状の仕事をこなす忙しさのあまり、新たなことを学ぶ努力は怠りがちだ。しかし、今後、仕事のスタイルがこれまでと大きく変わる時代が到来するにあたり、学ぶ努力を怠らなかった者が生き延びられる時代が来るだろう。常にアンテナを広く張り、新しいものを積極的に取り入れていく姿勢こそが、人間が人工知能と共存していくために求められる資質ということになるだろう。

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