―― 現在は11カ国に対応したCortanaですが、一番開発が難しかった言語はどれしょうか。

日本語版Cortanaでは未実装だが、米国版では手書きペンによるリマインド機能を備えている

Ash氏「もちろん日本語です。中国語よりも大変でした(笑)。

日本は品質の高さを重視し、言語特有の難易度など難しい市場であることは分かっていました。しかし、日本のユーザーに受け入れられる品質をクリアすれば、他国でも同様に成功するとも考えられます。(日本の)Cortanaユーザーの皆さまは、多くのフィードバックをお送りください」

―― 先行する米国版Cortanaの新機能はありますか。

Ash氏「インク機能です。例えば『母親へ土曜日に電話しなければならない』場合に、そのままペンで書けば必要な情報をピックアップしてリマインドできるようになりました。電話番号を一緒に書いた場合は、その部分をタッチするだけで電話をかけることができます。

さらに、PCとWindows Phone、もしくはCortana for Android(ベータ版)をインストールしたデバイスがあれば、相手からの着信に出られなかった場合でも、『何時に誰それから電話がありました』という通知が現れます(筆者注:この他にもLinkedInのアカウントを登録することで、リマインダーの相手選択が可能になるなど、多数の機能が米国版では動作している)」

Windows 10 ビルド10586.3のCortanaには、不在着信通知機能はあるものの、Windows 10 Mobileは正式リリース前、Cortana for Androidも米中の一部ユーザー限定のテスト中であるため使用できない

―― 日本語版Cortanaに新機能が導入されてくるのはいつごろでしょう。ぜひ教えてください。

石坂氏「難しい質問ですね(笑)。日本のユーザーにインパクトがあるかを判断しながら、現在は模索中です。例えばインク機能は以前から(MSDにも)チームがあるため、実装自体は難しくありません。

ワールドワイドの判断が必要となるため断言できませんが、我々としては注目を集めるような何らかの新機能を、次のタイミングで導入したいと考えています。より多くのフィードバックをいただければ、新機能の実装も早まります」

―― Cortanaは今後どのように変化しますか。

中国のチームが開発した質問カード。各項目を選ぶとCortanaに対する具体的な質問内容を確認できる

Ash氏「色々な国において、ユーザーがCortanaをどのように使うのかを見て来ましたが、そのなかで出てきたのが『冗談』や『何かない?』など、ちょっと遊び心のある質問です。また、歌に関する質問が多かったという経緯もあります。

Cortanaのテキストボックスに『おはようございます』といったメッセージが現れますが、ここに具体例を示すような仕組みを考えています。Cortanaの方から『自分はこのようなことができます』とアピールする感じですね」

藤原氏「最近のビルドでは、簡単なメッセージを表示するようになりました。実はあのタイミングで、アイコンがお辞儀をしています。ぜひ確認してください(笑)」