「NTTドコモがMVNO専用SIMの発行を予定している」という情報がインターネット上で一部話題になった。「MVNO専用SIM」が発行されると、SIMロックが解除されていないドコモスマートフォンでは通信ができなくなるのではないか、というのがその理由だ。これ自体はドコモが否定しているが、すでに同様の施策は行われており、それがKDDIがMVNO向けに発行している「au VoLTE対応SIM」だ。このSIMでは、ロック解除されていないau端末では一切通信ができない。その理由は何だろうか。
きっかけは「mineo」
もともとは、10月6日にケイ・オプティコムのMVNOサービスである「mineo」が、VoLTE対応サービスを開始すると発表したことがきっかけ。このサービスではau VoLTEを利用した通話が可能になるが、そのためにはVoLTE対応のSIMが必要で、そのVoLTE対応SIMは、SIMロックを解除していないau端末では利用できない。
これまでMVNOのSIMは、同じネットワークのキャリア(MNO)の端末であれば、SIMロックを解除しなくても利用できた。au系のmineoサービスであれば、通常はauの端末がそのまま使えたため、auユーザーが乗り換える際には新たに端末を購入する必要がなかった。
auのVoLTE対応端末はVoLTE非対応のMVNOのSIMでは利用できない状態だったが、今回mineoがVoLTE対応SIMを提供するため、au VoLTE対応端末でもmineoを使うことができるようになった。
しかし、そのためのVoLTE対応SIMが、今度はSIMロックを解除していないau端末では使えないという。つまり、mineoのVoLTE対応SIMをau端末で使いたい場合は、購入後180日経ってSIMロックを解除した端末を用意する必要がある。
これに関して、KDDIは「SIMロック解除に関するガイドラインに従ったため」と説明する。同ガイドラインは、購入後180日を経過した端末はSIMロックを解除できるようにするというもので、今年5月以降に発売されたスマートフォンが対象となっている(例外として4月発売のGalaxy S6 edgeもSIMロック解除の対象)。